どっとライブ推しMMD初心者の備忘録

未来のやりおるマン達に捧げる、主にトゥーン調MMDに関するお話

ポストエフェクトを絶対壁エフェクト対応に改造する方法

  この記事では、MME(MikuMikuEffect)のエフェクトについて、絶対壁エフェクトをCroquis改v2等のポストエフェクトへ組み込むための手順を具体例として取り上げながら、一般に「モデルの頂点座標を変形させる」エフェクトを「モデルの頂点情報を処理の過程で利用する」エフェクトに組み込む際の基本的な考え方をまとめていきます。トゥーンシェーダに頂点変形系のエフェクトを組み込んだり、頂点変形系のエフェクト同士を合体させたりすることもできるはずです。

 HLSLを触ったことのない方向けにかなり詳細に書いているため、ある程度分かっている人にとっては何も得るところが無いと思われます。すでに基礎を理解されている方や、御託は良いから改造方法だけ教えろという方は、目次から直接「改造の方法」の項にジャンプして下さい。

 何か間違った記述をしてしまっている場合、ご教示頂けると大変助かります。

目次

 

 

改造の汎用性

 本記事ではDoltMePly 様の「絶対壁エフェクト」の バージョン1.1についての改造のみ取り上げておりますが、頂点を変形させるタイプのエフェクトであれば、同様の手順で組み込みできると思われます(多分)。

 具体例としては、P.I.P 様がPAToon2.96+βにおいて、「絶対壁」、「嘘パース」、「嘘視野角」のエフェクトを同様の手順でHAToonに組み込みされております。また、たじゃっぴ 様はこの手順でCroquis改v2に「嘘パース」を組み込みされております。(私はたじゃっぴ 様の改造を真似て今回の改造を行いました。)興味がある方はHAToonCore.hlslとPAToonCore.hlslを比較したり、通常版とたじゃっぴ 様版のCroquis改v2を比較したりしてみて下さい。

P.I.P様は以下の記事にて嘘パースや嘘視野角の組み込みの方法について書かれています。(やっていることはほとんど同じなので、この記事書く必要なかったかもしれない…)

記事

pip-mmd.hatenablog.com

pip-mmd.hatenablog.com

  私は以下の動画でAutoLuminous4、Croquis改v2、ExShadowSSAO、ExcellentShadow、XDOFに「絶対壁」の組み込みを行いました。何か細かい処理が間違っているかもしれませんが、少なくとも各エフェクトが絶対壁の位置に掛かるようにはなりました。

また、PostAlphaEyeとPostRimLightToonについては失敗しました(後述)。私がカメラとモデルと壁の間の位置関係を間違えていただけで、実際にはPostAlphaEyeとPostRimLightToonについても本記事の改造で実用可能でした。

www.nicovideo.jp

 この動画は、「死ぬ前に推しがディスプレイから飛び出してお迎えに来てくれたらいいな」というエヴァ旧劇の頃からあるようなオタクの普遍的妄想を映像化した(つもりの)もので、ペーパーマリオとかスマブラ版のMr.ゲーム&ウォッチとかのような「平面上から3次元の世界に出てきたキャラクター感」を出すために絶対壁エフェクトを導入しました。

絶対壁エフェクトの概要 

 このページに辿り着いた方にわざわざ説明する必要もないと思いますが、絶対壁エフェクトとは、モデルを平面上に貼り付けるエフェクトです。色々な使い方が出来る、非常にポテンシャルの高いエフェクトだと思います。今回の記事で使用するのは、純粋に絶対壁の機能しかないバージョン1.1のほうです。

 エフェクトの配布場所や使い方等は作者様の配布動画をご覧下さい。

配布動画

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

エフェクト改造の必要性

 次の項でもう少し詳しく述べますが、一般的にMMEのエフェクトは、大別して、画面上の座標を取得し変換(移動とか回転とか)する操作と、取得した座標上の色を変換する操作の二つを行っています。

 バージョン1.1の絶対壁エフェクトは、大ざっぱに言うと、「指定されたpmxモデルの3次元的な頂点座標を取得し、その取得された座標を絶対壁のpmxモデルの平面上に移動させる変換を行ったあと、平面上でモデルの本来の色を再現して、結果を画面に出力する」、という処理を行っています。

 「pmxモデルを指定」と書きましたが、MMEのエフェクトには、個々のモデルの頂点座標等の情報を必要とするものと必要としないものがあります。両者の判別法を述べておきますと、基本的に、エフェクトを導入するときにメインタブでモデルやモデルの材質にfxファイルを読み込ませるタイプのもの(下の画像の一枚目)と、エフェクト読み込み用のアクセサリやpmxモデルを読み込むとMMEの割り当てウインドウ上でタブが増えるタイプのもの(下画像の二枚目)が、モデルの情報を読み取る必要のあるエフェクトです。*1その他のエフェクトは、基本的に私たちが見ている画面と同じ二次元平面のみを入力情報として受け取っています。

 f:id:Namuzoh_Quanto:20190326194549p:plain

f:id:Namuzoh_Quanto:20190326194612p:plain

例えば、今回取り扱う絶対壁エフェクトやトゥーンシェーダーなどのエフェクトはメインタブでfxファイルを読み込むタイプですし、Croquis改v2などのエフェクトはタブが増えるタイプですが、モデルを変形させたり影や輪郭線を付けるといったそれぞれのエフェクトの役割からして、これらは明らかにモデルの情報を必要としていそうですよね。一方で、o_Diffusionやo_selfOverlayなどそれら以外のタイプのエフェクトを思い起こしてみると、モデル単体ではなく画面全体の二次元情報を読み取っていそうですよね。

 ここで、絶対壁エフェクトとともに、タブが増えるタイプのモデル情報読み取り系エフェクトを同時に使用しようとすると、ある問題が起こってしまいます。MMEにおける「頂点の移動」の操作は、実はMMD側の座標の情報を複製してエフェクトの内部のみで使用しているだけで、MMD側が持っている座標情報そのものを書き換えているわけではないのです。つまり、絶対壁エフェクトによって頂点の情報を操作しても、絶対壁エフェクト以外の他のエフェクトは、MMD側が保有している、絶対壁の変形が行われる以前の座標を取得して処理を行ってしまうのです。これでは、絶対壁以外のエフェクトは、絶対壁上のモデル本体にではなく、何もないはずの空間上に掛かってしまうのです。

少しまどろっこしく書きましたが、要は下の画像のようになってしまうということです↓(絶対壁とCroquisを併用)

f:id:Namuzoh_Quanto:20190326200234j:plain

 

 このようなことを防ぐための一つの手段として、絶対壁エフェクトと同時に用いるモデル情報読み取り系エフェクトに対して、「MMD側から取得したモデルの座標情報に、絶対壁エフェクトと全く同じ頂点変形処理を施すことによって、エフェクトが処理の対象とする座標を、絶対壁上の座標に直す」という改造を行う方法があります。この方法では絶対壁エフェクトの処理をそのまま流用するので、ほとんどコピペのみで改造することが可能です。

この改造を行うと、下の画像↓のように、ちゃんと絶対壁上のモデルに他エフェクトが掛かるようになります。

f:id:Namuzoh_Quanto:20190326200459j:plain

 ちなみに、検索流入した方向けにダイマしておくと、この画像の子は、アップランド社の「.LIVE」に所属している、今を時めくVTuberの金剛いろはちゃんです。かわいさと面白さのバランスが絶妙で、トークも上手いのでおすすめです!!

金剛いろはちゃんの公式MMDモデル(ぽんぷ長 様によるモデリングです)↓

3d.nicovideo.jp

金剛いろはちゃんのチャンネル(まずは自己紹介動画を見て、その後MMDの作業しながらでもいいのでラジオ感覚で雑談配信とか聴くと良いかもです)↓

www.youtube.com

 話を戻します。調子に乗りました。すみません。次の項で、このような方法を取る場合の改造について、具体的な方法を示します。

改造の方法

 組み込み改造の方法を示していきます。

基礎知識

 まず、改造に必要な前提知識です。一般的に、MMEにおけるエフェクト全体の構造は以下のようになっています。

  

パラメタや関数の定義、コントローラの読み込み

頂点シェーダ1

ピクセルシェーダ1

テクニック1

頂点シェーダ2

ピクセルシェーダ2

テクニック2

(繰り返し…)

 

 この構造の構成要素について、簡単に説明していきます。

 まず、シェーダの記述の前に、頂点シェーダやピクセルシェーダの内部で使われるパラメタや関数の定義が行われます。

 それらの定義の後に、頂点シェーダ、ピクセルシェーダ、テクニックの3つ一組のセットが一つ以上登場します。

頂点シェーダは、取得した座標の情報を変形したりしなかったりした後、最終的には二次元座標に変換して出力します。頂点を変形させる場合、この頂点シェーダ内において変形処理を行います。

ピクセルシェーダは、頂点シェーダが出力した二次元座標を受け取って、ピクセル単位で色情報の変換をしたりしなかったりしつつ、最終的に二次元座標の色を出力します。

テクニックは、頂点シェーダとピクセルシェーダを呼び出して、実際に処理を実行させます。

頂点シェーダ、ピクセルシェーダとテクニックについては、直前に

// 頂点シェーダ

のように、「このコードは頂点シェーダだよ」とはっきり明示されていることが多いです。このダブルスラッシュ「//」から始まる行は、エフェクトを実行する際には処理されない行で、「以下に続くソースコードはどんな処理をする為のものなのか」を私たちソースコードを読む側の人々に伝える役割を担っています。このようにダブルスラッシュが多用されているエフェクトでは、ダブルスラッシュに書かれている説明を積極的に読んでいくと、エフェクトの理解が深まり改造もしやすくなるので、どんどん活用していきましょう。

コピペ改造の方法

  それでは改造を行っていきます。「絶対壁エフェクトver1.1」と「Croquis改v2」を用意し、まずは、絶対壁エフェクトのフォルダ内の「AbsoluteWall.fx」と、Croquisのフォルダ内の「EdgeStrengthDraw.fxsub」を、メモ帳等のエディタで開いて下さい。(できればコードの行数が分かるものが望ましい)

seiga.nicovideo.jp

行数が付いてるエディタの例(メモ帳でも気合いで何とかなりますが一応)

eng-entrance.com

 まず、AbsoluteWall.fxの中の、コピーすべき三箇所を示します。

①:10行目~27行目までの部分丸ごと*2

// 平面のデータ取得

の行から

float Pparam_RangeON : CONTROLOBJECT < string name = PLANENAME; string item = "範囲 OFF⇔ON"; >;

の行までです。

この一連のブロックは、ダブルスラッシュの後に書かれている通り、絶対壁エフェクトのコントローラにより指定された、位置情報やモーフなどの各種パラメタの値を、エフェクトファイル内に取り込む働きをしています。

②:104行目~211行目までの部分丸ごと

//ベクトル内積

の行から

}

の行までです。

この一連のブロックは、絶対壁エフェクトの中核である「モデルの頂点座標を絶対壁の上まで移動させる」処理を行うAbsoluteWall関数を記述する部分です。169行目~211行目がAbsoluteWall関数の本体で、それより前の部分は、AbsoluteWall関数内で使用される関数が記述されています。

③:221行目

Pos = AbsoluteWall(Pos,Normal);

です。この文は、②のAbsoluteWall関数を頂点シェーダ内で実行する為の文です。後述しますが、この③については、単純なコピーだけでは駄目なことが多く、状況に応じて改変する必要があります。

  コピーすべき文が分かったところで、次はEdgeStrengthDraw.fxsubのどこにこれらをペーストするのか示していきます。

①と②:一番最初の頂点シェーダが出てくるちょっと前(例えば63行目あたり)

①と②については、関数を頂点シェーダ内で呼び出す必要があるので、頂点シェーダよりも前のところにペーストしておく必要があります。AbsoluteWall関数の内部で①のパラメタを使用するので、順番は必ず①→②の順になるようにして下さい。

③:ファイル内の全ての頂点シェーダ内の、ワールドビュープロジェクション変換などの変換が行われる直前(今回で言えば、78行目)

ワールドビュープロジェクション変換とは、ものすごくざっくりいうと、MMD側から読み取って頂点シェーダに入力した座標情報を、回転とか移動とかのいろいろな変換や操作などを行いやすい形に直しつつ、カメラとの位置関係を定め、さらに三次元だった座標を画面上の二次元座標に変換する、という処理をまとめて行ってくれる変換です。この処理を行う前に、座標に絶対壁エフェクトの効果を掛けてやれば、絶対壁エフェクトが適用された後の座標をエフェクトが使用してくれるようになるということです。

この変換はエフェクトによって若干形が違うこともあるかもしれませんが、

Out.Pos = mul( Pos,なんとか );

という形をした文が頂点シェーダ内にあったら多分それがそうです。「なんとか」のアルファベットに”World”とか含まれてたり、ダブルスラッシュの中にワールドとかビューとかいう単語が含まれてたら間違いなくそれでしょう。

 ③の改造には3つ注意点があります。

 まず一つ目は、「頂点シェーダの引数に必ずPOSITIONとNORMALを入れなければならない」ということです。引数とは何か、ということから説明します。EdgeStrengthDraw.fxsubの頂点シェーダは

VS_OUTPUT Basic_VS(float4 Pos : POSITION, float3 Normal : NORMAL, float2 Tex : TEXCOORD0)

という文になってます。(75行目)この文のうち、「Basic_VS」というのがこの頂点シェーダの名前です。この名前のすぐ後にある丸カッコのなかに、カンマで区切られてずらずら書かれているのが引数です。このようにして頂点シェーダに引数を渡すと、シェーダは内部で引数を使うことができるようになります。今回の場合は、「float4 Pos : POSITION」と「float3 Normal : NORMAL」と「float2 Tex : TEXCOORD0」の3つの引数が渡されています。

ところで、②でペーストしたAbsoluteWall関数は、処理の過程でPos(座標)とNormal(法線)の情報を使用するので、この頂点シェーダの引数の中に「float4 Pos : POSITION」と「float3 Normal : NORMAL」を渡してあげないと正常に動いてくれないのです。もしこれら二つのどちらかでも入っていなかったら、頂点シェーダの引数として追加しなければなりません。(カンマで区切るのを忘れずに!)

ちなみに、この「float4 Pos : POSITION」という引数こそが、MMD側から受け取った三次元座標です。

 二つ目の注意点は、「変数"Pos"は"pos"など別の名前になっていることもある」ということです。ワールドビュープロジェクション変換の引数が、もし

Out.Pos = mul( pos, WorldViewProjMatrix );

とか

Out.Pos = mul( tikuwa_dimyouzin, WorldViewProjMatrix );

とかいう形になっていたら、③の変換も、それに対応させて、それぞれ

pos = AbsoluteWall(pos,Normal);

とか

tikuwa_dimyouzin = AbsoluteWall(tikuwa_dimyouzin,Normal);

とかいった形に直してやる必要があるということです。

 三つ目の注意点は、「頂点シェーダは一つとは限らない」ということです。③の改造は、改造を行うfxsubファイルの中にある全ての頂点シェーダに対して行う必要があります。改造をしたはずなのにエフェクトの表示が改善されない場合、まずこれを見落としていないか再確認しましょう。

どのファイルを改造するのか

  以上で改造の方法は分かって頂けたと思いますが、「どのファイルを改造すればいいのか」をまだ述べていません。

 タブが増えるタイプのエフェクトでは、原則として、頂点シェーダを含むfxsubファイルは全て上記の改造をする必要があります。(たまに改造すべきファイルの拡張子がfxやhlslの場合もありますので注意。)すなわち、Croquis改v2で言えば、

ColorMapCommon.fxsub

EdgeStrengthDraw.fxsub

SubDraw.fxsub

ColorDrawCanceler.fxsub

EdgeStrengthDrawCanceler.fxsub

EdgeStrengthDrawYoreyore.fxsub

SubDrawCanceler.fxsub

の7つのfxsubファイルです。ただし、CancelerとかYoreyoreとかの予備機能を使わないよという方は最初の3つだけ改造すれば大丈夫です。

 重要な注意ですが、これらのfxsubファイルを改造した後、保存する際は、上書き保存をせずに、必ず別名保存をするようにして下さい。これは、これらの改造を施したfxsubファイルを、絶対壁を適用したモデルや材質にのみ掛けることが出来るようにするためです。上書き保存をしてしまうと、今度は逆に全てのエフェクトの効果が絶対壁上に乗ってしまいます。別名保存をする際は、絶対壁改造を施したファイルだということが分かりやすいように、「EdgeStrengthDraw_AW.fxsub」みたいな名前にすると良いと思います。AWはAbsolute Wall(絶対壁)の略です。

 なお、もう一つ落とし穴(というほどでもないかもしれない注意点)があって、例えば今回のCroquis改v2では、頂点シェーダを含まない「ColorDraw.fxsub」というfxsubファイルがあると思いますが、このファイルの7行目に

#include "ColorMapCommon.fxsub"

 という記述があります。この文は、実は「このファイルのここにColorMapCommon.fxsubを読み込みますよ」というような意味の文章です。すなわち、ColorDraw.fxsubに対して、「7行目のファイル名を先程改造したファイル名に置き換える」という改造を行ったものを用意してあげないと、先程の改造が無意味になってしまうのです。頂点シェーダが無いからとおいそれと油断はできないのです。なお、改造したColorDraw.fxsubについても、上書き保存せずColorDraw_AW.fxsubなどとして下さい。

どうやって使うの

 以上で改造は終わりです。改造したfxsubファイルの使用方法ですが、これは簡単です。メインタブで絶対壁エフェクトを適用させたモデルや材質に対して、増えたタブにおいて通常版のfxsubファイルの代わりに改造版のものを適用させてあげればいいだけです。

 例えば、金剛いろはちゃんのモデルに絶対壁エフェクトとCroquis改v2を適用させたいとします。

まずは、通常のようにモデルとCroquisをMMDに読み込みましょう。そして、絶対壁のpmxモデルを読み込み、MMEのメインタブにおいて、いろはちゃんモデルにAbsolutewall.fxを適用させましょう。そしてCroquisや絶対壁のパラメタをいい感じにしましょう。ここまではいつもの通りです。

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 ここまで出来たら、まずMMEのCM_ObjectColorMapタブを開き、いろはちゃんに適用されているColorDraw.fxsubのファイルを、ColorDraw_AW.fxsubなどと名付けた先程の改造済みファイルに置き換えましょう。同様にして、CM_EdgeStrengthMapタブでEdgeStrengthDraw.fxsubを、CM_NormalDepthMapタブでSubDraw.fxsubをそれぞれ改造済みに置き換えて下さい。

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 これで輪郭線が上手く描画されるようになったはずです。上手くいっていない場合はもう一度改造を見直ししてみて下さい(私の記述が間違っている場合も考えられるので、間違えてる箇所を見つけたり、もし何度直しても上手くいかなかったりしたらご指摘下さい。)

 

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補足:シェーダへの組み込み

 メインタブで適用させるタイプの各種シェーダへの絶対壁エフェクトの組み込みも、以上と同じ方法で出来るはずです。シェーダの場合はfxsubではなくfxファイルを改造することになると思います。

 試しに私が個人的に気に入っているかっつりトゥーンシェーダーの、「服.fx」に、絶対壁エフェクトを組み込んでみました。下の画像をご覧下さい。パラメタの調整をちゃんとしていないのと全材質服にしているのが原因で、トゥーン調的にはイマイチですが、少なくとも絶対壁エフェクトはちゃんと働いてますね。(見栄えの為に改造済みCroquisも入れております。)

トゥーン調MMDはとても良いものなので、皆さんも是非一度やってみて下さい。本ブログにもやり方をまとめてあります(ダイマ

f:id:Namuzoh_Quanto:20190327201757j:plain

 

トゥーン調のやり方の記事↓

namuzoh-quanto.hatenablog.com

改造ができなかった例 

 

 私が遭遇した、以上の方法の改造では上手くいかなかったエフェクトの例も挙げておきます。

 私がミスしていただけでした。すみません。

より詳しく知りたい方の為に

 

  fxファイルの内部構造に興味を持たれた方のために、今回の改造の為に私が参考にしたサイト様などを貼らせて頂きます。(ググればすぐ出るサイト様ばかりですが。)MMEのfxファイルなどは「HLSL」というプログラミング言語で書かれているので、HLSLで検索してみると情報が出たり出なかったりします。

・「MikuMikuEffectで学ぶHLSL入門」

非常に分かりやすいので、まずこれを読んでみましょう。

codezine.jp

・MMEに付属している「REFERENCE.txt」と「MMEffect.txt」

上の記事を読んだ後にこれらのファイルを読むと、なんだかMMEのことを理解出来た気になれます。MME独自のセマンティクスなどの仕様は全てこのファイルに載っています。

・HLSLの話が非常に詳しいサイト様(わからないことが出てきたときに見に行くと役立ちます)

marupeke296.com

・ワールドビュー射影変換の説明が分かりやすかったサイト様

whaison.jugem.jp

d.hatena.ne.jp

 HLSL講座とMME付属のテキストファイルを読んだ方なら分かっていただけると思いますが、MMEにおけるHLSL言語はわりと機能の制約が多く、書き方の型のようなものがある程度決まってしまっています。そのため、逆に言えば、ソースコードを読んで内容を理解するのがそこまで難しくないのです。(もちろん、自分の手で書くとなると初心者には難しいと思います。)MMD界隈のエフェクト製作者様はダブルスラッシュによるコメントでプログラムの意味をちゃんと書き残して下さる方が多いということも、解読のしやすさに繋がっていると思います。

 

おわりに

 わかりにくい説明だし、P.I.P様の記事とほとんどやっていることが同じなので(扱う対象を絶対壁エフェクトに変えただけ)、正直需要があったのか分からないのですが、何らかのお役に立てていれば幸いです。

 MMEのエフェクトを使用したり改造したりする際は、このように便利で扱いやすく内部処理も把握しやすいエフェクトを無料で公開して下さり、また(人によっては)改造やソースの流用の許可をして下さっている、エフェクト製作者様たちへの感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

 

*1:ここではエフェクトを操作するためのpmxコントローラについては考えておりません

*2:ソースコードの重要な部分を丸ごと載せるのはまずいと思うので、行数とソースのほんの一部分のみを記述していきます

トゥーン調MMD 動画の解説2 (2019/03/27)

 この記事では、ニコニコに投稿した以下のトゥーン調動画について、使用したエフェクトとその解説、並びに使用したパラメタの公開などをしていきます。

www.nicovideo.jp

 

目次

 

 

トゥーン化について

 本動画では、MMDを使ってアニメっぽい画面作りを目指す「トゥーン調MMD」というものを試みています。動いているとイマイチなのですが、一時停止してみるとなんだかアニメっぽいいろはちゃんになっていると思います(多分)

f:id:Namuzoh_Quanto:20190325235214j:plain

↑本編の切り抜き

f:id:Namuzoh_Quanto:20190325235242p:plain

↑サムネ画像

 トゥーン調MMDの概要は、以下の記事の最初の方を読めば大体把握できると思います。興味を持たれた方は是非モデル改造編やエフェクト編もご覧下さい。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

PAToonについて

概要と利点

 本動画では、PAToonというエフェクトを使用してます。

seiga.nicovideo.jp このエフェクトは、HAToon2というトゥーンシェーダー(モデルにアニメっぽい影を付けるエフェクト)に、LocalShadow等の、影を細かく調整するための各種補助エフェクトを複合させたエフェクトです。調整機能が付いたことにより、アニメ特有の影の付き方がより出しやすくなっていて、さらに、pmxコントローラ形式のためエフェクトのパラメタ調整が非常にやりやすく、かなりおすすめです。

 詳しい使い方については、readmeや作者様の解説ページなどをご覧下さい。現在進行形で更新が行われているエフェクトなので、最新情報についてはtwitterなどで検索してみましょう。

ch.nicovideo.jp

↓このツイートから始まる一連のツイートも参考になります。

twitter.com

PAToonKey2.96+β

bowlroll.net

 この「+β」版はPAToonの最新版で、新たにアニメ的表現を補助する様々なエフェクトを融合させたベータ版となっているそうです。

 βで加わった新機能のうち、球法線化と絶対壁については、今回の動画で用いたので次以降の項で詳しく述べます。

 他のエフェクトについてものすごくざっくり述べると、嘘パースは、手や武器など画面手前側に来ているものを、実際よりも大きく描くことで、画面に迫力を出すアニメ特有の手法のことです。嘘視野角は、前景の視野角と背景の視野角を別々に操作する機能のことだそうです。嘘パースや背景の視野角などについては、以下の記事様を読むと大体理解できると思います。(エフェクトの話ではなく、MMD標準機能の「パース」中心の記事です。「手が小っちゃくなっちゃう」のをエフェクトで修正するのが嘘パースエフェクトです。それぞれ視野角の異なるモデルと背景の合成をMMDのソフト上で行うのが嘘視野角です。)

ch.nicovideo.jp

 仕事床は、地面にモデルさんの姿が反射されるおしゃれなアレです。通常版の仕事床エフェクトではモデルにシェーダ等のエフェクトが掛かっていない姿が反射されてしまうところを、トゥーンシェーダが付与された姿が反射されるようにしたのが今回のベータ版だそうです。

 subcameraはよく分かりません(すみません)

球法線化について

 

(後でもう少し追記します。すみません)

 まず、MMDにおける法線とは、数学で出てくる法線とは意味が異なり、ざっくりいうと「光を反射する方向を示す矢印」という意味です。この法線をいじってやると、モデルへの影の付き方が色々と変わります。

法線については以下の二つのサイト様の解説が分かりやすいです。(二つ目のサイト様の、法線マップは今回は関係ないので、その部分はスルーして最初の方だけお読みください。)

togetter.com

czpanel.com

 球法線化とは、モデルの顔部分の法線を、球体が持っているような法線に近づけてやることで、モデルの顔に掛かる影をアニメっぽい掛かり方にしてやろうというやつです。

取り敢えず以下のサイト様を参照下さい。真ん中の方に出てきます。

3d-da.jp

 

絶対壁ver1.1について(別記事)

 

 絶対壁エフェクトとは、配布動画様から引用すると、「平面ポリゴンを読み込んで、その平面を超える頂点は平面まで戻され、平面に張り付く」というエフェクトです。詳しくは配布動画様をご覧下さい。

www.nicovideo.jp

 様々な使い方ができるエフェクトですが、私はトゥーン調にしたキャラクターをさらにペーパーマリオとかスマブラMr.ゲーム&ウォッチみたいな感じにしたかったので導入しました。 ver2.1も既に出ているのですが、PAToonKey2.96+βがver1.1の方に対応していたため今回は使用を見送りました。

www.nicovideo.jp

 

 このエフェクトは、Croquisなどのモデルの位置情報を読み取るエフェクトと併用する際にある問題が生じるため、一緒に用いるエフェクトを改造してやる必要があります。この具体的方法については、長くなってしまったので別記事にしました。

 

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

使用エフェクト、描画順、パラメタなど

使用エフェクト

注:「*」印が付いてるエフェクトは、絶対壁対応の為に前述の方法で改造。

 

PAToonKey2.96+β P.I.P 様

*AutoLuminous4 sm19843111 
*Croquis改_v2 im3705513 
*ExShadowSSAO sm19123817

*ExcellentShadow2
*XDOF そぼろ 様

o_SelfOverlay_Soft im1561862
o_LikeHDR im2004305
o_diffusion sm13813270

SSAA_L3AA im3800138

絶対壁エフェクトv1.1 sm33885933


描画順

 

 

 MMDの画面からスクショしました。↓

 f:id:Namuzoh_Quanto:20190323005307p:plain

今回はおたもん 様のやり方を参考にして並べてみました。

twitter.com

twitter.com

おたもん様流の描画順の方法論は、このページ↓からダウンロードできる「第1回 関西MMD勉強会 in 大阪 #4 発表資料」にも詳しく載っています。

okoneya.jp

パラメタ

  動画で使用したパラメタです。

アクセサリ

 表にまとめました。↓

  X Y Z Rx Ry Rz Si Tr
Croquis 1 1 0.34 3 0 0 0.5 1 地面
ExcellentShadow 0 0 0 0 0 0 1 1 地面
ExShadowSSAO 0 0 0 0 0 0 1 1 地面
AutoLuminousBasic 0 0 0 0 0 0 1 1 地面
o_selfOverlay 1 1 1 0 0 0 1.25 0.7 地面
o_LikeHDR 0 0 0 0 0 0 1 0.3 地面
o_Diffusion 0 0 0 0 0 0 0.7 1 地面
XDOF 0 0 -7 0 0 0 2.5 1 絶対壁v1.1 センター
L3AA 0 0 0 0 0 0 1 1 地面
 PMXモデル

 

◇PAToonコントローラ

 ・「球法線中心」の外部親:「金剛いろは」の「頭」

・座標パラメタ(変更したものだけ)

  X Y Z Rx Ry Rz
シェーダー 0 0 0 -2.29172 0.573413 -0.02293
セルフ影 0 0 0 -7.63671 8.18572 12.5
影 RGB -2 -2 -2 0 0 0
球法線中心 0.757506 -0.16921 -0.55101 0 0 0
照明方向/位置 -8.78E-07 0.597414 -0.93231 0 0 0

・表情モーフの値(変更したものだけ)

球法線化 0.68
Y法線ゼロ

1

 

◇絶対壁

・座標パラメタ(変更したものだけ)

  X Y Z Rx Ry Rz
センター -1.03E-05 10.7534 -2.84163 89.9802 -180 -180

・表情モーフの値(変更したものだけ)

絶対度弱める 0.04

 

fxファイル

絶対壁改造以外で、操作パラメタの部分を改造したもののみ記していきます

◇Croquis.fx

・34行目「#define AO_EDGE_SCALE 4」に。

・50行目「#define USE_EDGE_STRENGTH_DISTANCE_CONTROL」を有効化。

使用モデルやお借りした楽曲、モーションなど

 モデル

・金剛いろは <(C)Appland, Inc.> td49918

3d.nicovideo.jp

*改造:テクスチャをベタ塗り、全材質スフィアマップ無効化、全材質エッジ無効化、材質25の「ハイライト」をAutoLuminous対応化(反射色0、反射強度100.8)、顔材質のセルフ影をオン、顔材質を球法線対応化(反射強度3.239)、髪の嘘影(材質51「髪落影」)にPAToonと同じ影色の単色テクスチャを導入

Toonマップは削除するとPAToonの影が付かなくなってしまったので、切りませんでした。

 

MMD液晶ディスプレイ_150112(MMD液晶モニター超大型) ヌルテカP 様 im4589105

seiga.nicovideo.jp

ステージ

・サイハテ風ステージA yuduki 様 im6685150

seiga.nicovideo.jp

*極北P 様のVMDSpectrumでステージ用モーションを作成(band数6,フレームスキップ3)

bowlroll.net

 

・単色スカイドーム しゃち 様 im5788885

seiga.nicovideo.jp

*エフェクトの副作用で背景が黒くなってしまったので導入。

楽曲とモーション

・楽曲:「サイハテ」 小林オニキス 様 sm2053548

www.nicovideo.jp

piapro.jp

・モデルモーション:NIMO7 様 sm15852451

www.nicovideo.jp

・カメラモーション:p_philosophie 様 sm29736298

www.nicovideo.jp

 

おわりに

 

 正直需要があるのか良く分からない情報ばかりですが、少しでも皆さんのお役に立ちましたら幸いです。

 あと、ブログのサブタイトルなどに示している通り、私はトゥーン調(アニメ調)MMDにハマっております。まだろくに技術もない初心者のくせにわざわざ動画にこのような記事を付属させているのは、トゥーン調MMDへの参入コストを少しでも下げるためで、こうすることによってアニメ調の作品を作ってくれる方が増えてくれると良いなという下心からです。

トゥーン調MMDもっと流行れ!

 

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今更だけどブログにプライバシーポリシーは必要やで!!コピペでオッケー – キャンディースタイル

【はてなブログ】プライバシーポリシーの掲載方法 | 理系男子のIoTライフ

 

 

 

最終更新:2019年3月20日

 

トゥーン調MMD 動画で使ったパラメタ(2019/3/9)

 このブログでは、トゥーン調にベタ惚れしたMMD初心者が、MMDモデルのアニメ化の方法の基礎をまとめております。

 この記事では、番外編として、私が作ったトゥーン調MMD動画において使ったエフェクトやそのパラメタの値を書き残しております。需要が全く無さそうですが書きます。

 使用エフェクトの詳しい機能や導入方法については今回の記事では述べないので、エフェクトの詳細についてはこちらの記事を参照下さい。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

 一連の記事を書く直前に作った動画なので、パラメタの掛かり具合が煮詰まり切っていなかったり、記事に書いた技術がまだ使われてなかったりします。

 今回の記事では動画は投稿順でなく作った順に並べているので、後に行くほどエフェクト掛けが上達しています(多分)。


  

1本目「【トゥーン調MMD】りこ王子VSうしまき【改変モデル】」

www.nicovideo.jp

 

モーションをすべて自力で作った動画です。動画のクオリティは全体的に低いですが、自分がトゥーン調MMDでやりたかったことを全部やり切りました

・使ったもの

askyY_ao.x im4152930
鍵束式フィールド02.pmx sm24346970 (トゥーン化)
virtual_v1.0.pmx td31694 (トゥーン化)
高槻家風の三輪車.pmx im2720786 (トゥーン化し、大きさ1.5倍に)
AutoLuminous4 sm19843111 

Croquis改_v2 im3705513
ExShadowSSAO sm19123817
LocalShadow_v003 im4112205
マント.pmx im5021547 (トゥーン化)
PostAlphaEye
PostRimLightToon_v05 im7009013
Toon セット顔だけLocalShadow *多分ちゃんと使えてなくてただのLocalShadowになってる
MultiEdge_v_0_2_5
かっつりトゥーンシェーダー sm17554041
eaken.pmx sm18330997 (トゥーン化)
eaken.pmx (トゥーン化、色改造)
o_SelfOverlay_v0_6 im1561862
simple_wing\sinple_wing.pmx im5769697
weaponset2\ブレード06\ブレード06.pmx im4709922 (トゥーン化)
weaponset2\ブレード06\ブレード06.pmx (トゥーン化、鞘だけの状態にできるよう改造)
y_悪魔セット\y_悪魔の角2_kai.pmx im8494926 (1.3倍に拡大)
y_悪魔セット\y_悪魔の尻尾.pmx 
UshimakiRiko.pmx td49923 (トゥーン化、色改造)
UshimakiRiko.pmx (トゥーン化、腹巻とストッキング付ける)
西洋刀剣類v0.14\Single handed sword_B.pmx im2755834 (トゥーン化、剣だけ分離)
西洋刀剣類v0.14\Single handed sword_B.pmx (トゥーン化、鞘だけ分離)

西洋刀剣類v0.14\Single handed sword_B.pmx (トゥーン化、剣だけ分離)
SSAA_4x_v01\SSAA_4xL2.x im3800138
o_SurplusFilter_v0_3\o_Bleach-bypass\o_Bleach-bypass.x im2004305
o_SurplusFilter_v0_3\o_LikeHDR\o_LikeHDR.x

・描画順

f:id:Namuzoh_Quanto:20190308215730p:plain

 diffusionやDOFを入れ忘れています。AviUtl側で入れようとしたのですが、掛かりがきつ過ぎたので、結局diffusionとDOF無しのバージョンを投稿しました。最終的なエフェクトの掛かり具合は、個人的にはこれはこれで気に入っているのですが、トゥーン調としてはちょっと足りてない感があります。

・パラメタ

特に記載のないパラメタは初期値のままです。

 

Croquis改
X=1,Y=1,Z=0.1,Rx=3,Si=0.3,Tr=1
デフォルトから変更したと思われるfxファイルの部分抜粋↓
Croquis.fx
AOエッジ強調による太さの倍率:4
距離によるエッジ太さのコントロール:有効

 

PostRimLightToon
アクセサリ:初期値
CTR:リムライト弱=0.66、影無視=0.58

 

PostAlphaEye
アクセサリ:初期値

 

AutoLuminousBasic
Si=0.12,Tr=0.2

 

ExShadowSSAO
アクセサリ:初期値

 

o_selfOverlay_Soft
Rx=0,Si=1.25,Tr=0.35

 

o_Bleach_bypass
:非表示状態でした(削除し忘れ)

 

o_likeHDR
Si=10,Tr=0.8

 

SSAA_4xL2
アクセサリ:初期値

 

localshadow(王子の方)
Y=0.44,Z=-0.84
範囲縮小=1
Lt遮影連動=0.05
Lt影濃調整=0.29
影ぼかし=0.16
影濃く=0.67

 

localshadow(コスプレの方)
Y=0.44,Z=-0.84
範囲縮小=1
Lt遮影連動=0.33
Lt影濃調整=0.32
影ぼかし=0.16
影濃く=0.69

 

MultiEdge:かっつりトゥーンシェーダに付属の値そのまま使用

 

かっつりトゥーンシェーダ
牛巻モデル:肌(材質0)に肌.fx、服に服.fx、髪に髪2.fx (王子のお腹と足は服.fx)
ばあちゃる:全て服.fx 間違えて牛巻モデル向けに設定した服.fxを使用
その他モデル:服.fx
fxファイルのパラメタ
肌.fx
float ShadowStrength = 1.0;
float3 ShadowBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 ShadowBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);
float3 BaseBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 BaseBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);

服.fx
float ShadowStrength = 1.1;
float3 ShadowBiasColor = float3(0.35, 0.35, 0.35);
float3 ShadowBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);
float3 BaseBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 BaseBiasColorAdd = float3(0.1, 0.1, 0.1);
髪2.fx:多分デフォルトのまま

・使った便利ツール

MikuMikuDance、MikuMikuMoving、PMXEditor、AviUtl

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

・その他お借りしたもの

魔王魂 様 楽曲及び効果音多数

maoudamashii.jokersounds.com

BGM:街24、ネオロック78、ファンタジー04、ジングル05

効果音:鳥01,02,03,05、マジカル13、戦闘01,05,10,12

nano_001 様 ラデツキー行進曲 nc891

commons.nicovideo.jp

Phalene 様 春風(牛巻がよく使うBGM) nc174352

commons.nicovideo.jp

効果音ラボ 様  効果音多数

 

soundeffect-lab.info


竜の羽ばたき nc133412
魔法のステッキ nc133468
寒いギャグで突風が吹く nc135257
ヒーローの決めポーズ (ホームページ限定?)
剣を抜く nc133376
剣の素振り1 nc133380
剣で打ち合う4 nc146557
刀で打ち合う1 nc133394
刀の素振り1 nc133388
斧で斬る2 nc165751
バタンと倒れる nc133424
ジャンプ nc133425
ジャンプの着地 nc133426
中パンチ nc133416
大キック nc133420
回復魔法2 nc133459
雷魔法2 nc133445
決定、ボタン16 nc133642
ガラスが割れる nc134961
ガラスにひびが入る nc134963
スライディング2 nc134996 

TAM music factory 様 効果音

 

www.tam-music.com

 

ステータス変化1,3、素振り1

無料効果音で遊ぼう!様 効果音

 

taira-komori.jpn.org

ボタン音 select2,7

フォント Nuもち、源暎ゴシック(im5062020)

 

kokagem.sakura.ne.jp

seiga.nicovideo.jp

 

字幕表示枠 nc158697

 

【画像素材】ドラクエ風ウィンドウ1 1500x450 【リク】 - ニコニ・コモンズ

 

2本目「【トゥーン調MMD】悪魔コスプレの牛巻で「忘却心中」【改変モデル】」

www.nicovideo.jp

 

この動画と次の動画ではモーションとカメラモーションをお借りして流し込みで作成しました。

この改造モデルは1本目で使った悪役りこぴんを単独で出してみたのですが、コメントを見る限り「本人に見えない」という意見が多かったので、改造をやりすぎたのだと思います。多分この改造モデルはもう使わないですが、トゥーン調の実践自体は結構うまくいっている気がします。

・使ったもの

AutoLuminous4 sm19843111 

Croquis改_v2 im3705513
ExShadowSSAO sm19123817
LocalShadow_v003 im4112205
PostRimLightToon_v05 im7009013

SSAA_4x_v01\L3AA.x im3800138

MultiEdge_v_0_2_5

かっつりトゥーンシェーダー sm17554041
o_SelfOverlay_v0_6 im1561862
simple_wing\sinple_wing.pmx im5769697
UserFile\Model\牛巻りこ\simple_wing\sinple_wing.pmx
y_悪魔セット\y_悪魔の角2_kai.pmx im8494926 (1.3倍に拡大)
y_悪魔セット\y_悪魔の尻尾.pmx 
UshimakiRiko.pmx td49923 (トゥーン化、色改造)
忘却心中PVキット(mp4・avs)\MME\ノイズ.x
忘却心中PVキット(mp4・avs)\MME\ブラウン管.x

・描画順

 f:id:Namuzoh_Quanto:20190315230016p:plain

 ブラウン管やノイズのエフェクトの後にAutoLuminousを置くことで、目の発光を強調しました。

また、Croquisを後ろの方にして、輪郭線を強調しました。

 

・パラメタ 

特に記載のないパラメタは初期値のままです。

 

Croquis改
X=1,Y=1,Z=0.3,Rx=3,Si=0.2,Tr=0.8
デフォルトから変更したと思われるfxファイルの部分抜粋↓
Croquis.fx
AOエッジ強調による太さの倍率:4
距離によるエッジ太さのコントロール:有効

 

PostRimLightToon
アクセサリ:初期値
CTR:リムライト弱=0.55、影無視=0.46

  

AutoLuminousBasic
Si=0.2,Tr=0.2

 

ExShadowSSAO
アクセサリ:初期値

 

o_selfOverlay_Soft
Rx=0,Si=1.25,Tr=0.35

 

SSAA_L3AA
アクセサリ:初期値

 

ノイズ

アクセサリ:初期値

 

ブラウン管

アクセサリ:初期値 

 

localshadow
Y=0.44,Z=-0.84
範囲縮小=1
Lt遮影連動=0.21
影ぼかし=0.11
影濃く=0.37

 

MultiEdge:かっつりトゥーンシェーダに付属の値そのまま使用

 

かっつりトゥーンシェーダ
牛巻モデル:肌(材質0)に肌.fx、服に服.fx、髪に髪2.fx
角、羽根、しっぽ:服.fx
fxファイルのパラメタ
肌.fx
float ShadowStrength = 1.0;
float3 ShadowBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 ShadowBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);
float3 BaseBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 BaseBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);

服.fx
float ShadowStrength = 1.1;
float3 ShadowBiasColor = float3(0.35, 0.35, 0.35);
float3 ShadowBiasColorAdd = float3(0, 0, 0);
float3 BaseBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 BaseBiasColorAdd = float3(0.1, 0.1, 0.1);
髪2.fx:多分デフォルトのまま

 

・お借りしたモーションと楽曲

 

www.nicovideo.jp

piapro.jp

www.nicovideo.jp

3本目「【トゥーン調MMD】ばあちゃる君でGive me Moneeeeeeeeeey!!!」

www.nicovideo.jp

 

選曲はばあちゃる君ガチ恋勢向けを意識しました。元々の配布モーションの時点でミクさんが増殖する仕様なのですが、なんでなんですかね(よく分かってない)。

twitterで有名な馬組さんたちにいいねとかRT貰えて「嗚呼、ちゃんと届いて良かった…」ってなりました。10万人行ったらばあちゃる君もオリジナル曲出して…!

この動画のエフェクトの掛かり具合が個人的にすごく気に入ってます。正確にはトゥーン調とは呼べないのかもしれないですが、リムライトやAutoLuminousの上に輪郭線を載せたスタイルもカッコよいし面白いと感じました。

 

・使ったもの

モデル
ばあちゃる <(c)Virtual YouTuber> td31694

 

ステージ
hana 様「クローバークラブ風ステージ」im2701378

 

エフェクト
AutoLuminous4 sm19843111 
Croquis改_v2 im3705513
ExShadowSSAO sm19123817
PostRimLightToon_v05 im7009013
かっつりトゥーンシェーダー sm17554041
o_SelfOverlay_Soft im1561862
SSAA_L3AA im3800138
o_LikeHDR im2004305
o_diffusion sm13813270
XDOF
PostMovie sm26920117

・描画順

f:id:Namuzoh_Quanto:20190309004820p:plain

あえてAutoLuminousやリムライトを先頭に配置し、 Croquisを後ろの方にして、輪郭線を強調しました。

ステージに「AutoLuminous対応」のものを選びました。

エフェクト編で紹介しませんでしたが、PostMovieは画面全体の色味を変えるエフェクトです。

 

・パラメタ

特に記載のないパラメタは初期値のままです。

 

Croquis改
X=1,Y=1,Z=3,Rx=3,Si=0.5,Tr=0.7
デフォルトから変更したと思われるfxファイルの部分抜粋↓
Croquis.fx
AOエッジ強調による太さの倍率:4
距離によるエッジ太さのコントロール:有効

 

PostRimLightToon
アクセサリ:初期値
CTR:リムライト弱=0.81、影無視=0.4
 

AutoLuminousBasic
Si=2,Tr=1 背景を光らせている

 

ExShadowSSAO
アクセサリ:初期値

 

o_selfOverlay_Soft
Rx=1,Si=1.25,Tr=0.35

 
o_diffusion
アクセサリ:初期値
 

o_likeHDR
Si=1,Tr=0.7


XDOF
Si=6.6、Tr=1、中央のばあちゃる君の頭部分に外部親登録

 

PostMovie_赤系
Si=1.1、Tr=0.5

 

PostMovie_青系
Si=1.1、Tr=0.5

 

SSAA_L3AA
アクセサリ:初期値

 

かっつりトゥーンシェーダ
ばあちゃる:全て服.fx 
fxファイルのパラメタ

服.fx
float ShadowStrength = 1.1;
float3 ShadowBiasColor = float3(0.1, 0.1, 0.1);
float3 ShadowBiasColorAdd = float3(0.08,0.08,0.08);
float3 BaseBiasColor = float3(1, 1, 1);
float3 BaseBiasColorAdd = float3(0.1, 0.1, 0.1);

・お借りしたモーションと楽曲

www.nicovideo.jp

piapro.jp

www.nicovideo.jp

・使った便利ツール

 MMD、PMXEditor、AviUtl、Excel

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

・その他お借りしたもの

 

フォント:しねきゃぷしょん

www.vector.co.jp

おわりに

 これにて終了です。

 他に応用できるのか分からないのですが、パラメタ完コピなどしていただいても全然OKです。

 皆様の何らかのお役に立てれば幸いです。

 

豆腐でもわかっちゃった!トゥーン調MMD講座 1.はじめに

 はじめまして。このブログは、12月末のアイドル部MMDモデル一斉配布の際にMMDを始め、2月上旬にトゥーン調(セルルック)MMDにベタ惚れしたMMD初心者の私がこれまでに得た、主にトゥーン調MMD動画製作に関するMMD関連の知見をまとめたものです。これからトゥーン調MMDを試してみたいという方の参考になれば幸いです。

 「はじめに」と題したこの記事は、最初にトゥーン調MMDモデルを実現する手順の大まかな概要を示した後、一連の他記事へのサイトマップを示す、という流れとなっております。

 何か間違いや助言等ございましたら、コメント等でご指摘いただけると大変助かります。

アニメ塗りとは

  本題に入っていきます。

 まず、MMDモデルでアニメ調の見た目を再現するには、「そもそもアニメ的な絵はどうやって描かれているのか」ということを知っておく必要があります。普段からイラストを描かれている方にとっては当たり前の話なのかもしれませんが、少なくとも私は全く知らなかったので、ここで取り上げておきます。

 ググったところ、このサイト様の解説が簡潔かつ非常に分かりやすかったので、リンクを貼ります。

ichi-up.net

説明上必要な所だけ抜き出すと、アニメ絵は、

線画を描く⇒ベタ塗りする(各領域を単色で塗りつぶす)⇒影を付ける⇒ハイライト(光の反射)を入れる⇒画面全体をいい感じに補正する

という手順で描かれているようです。

トゥーン化の大まかな手順

  我々が目指すべき「アニメ的な絵」の構造が分かったところで、MMDモデルでアニメ絵を実現するために今回やっていく操作の大まかな手順を以下に示します。

 

モデル改造により、モデルに元々備わっている色のグラデーションや陰影表現、ツヤ感などを消し、ベタ塗り的な見た目にする

MMD上で色々なエフェクトを適用して、モデルにアニメっぽい影や輪郭線、ハイライトなどをつけたり、画面全体をいい感じに補正したりする

必要ならば、モデルにアニメっぽい動きをさせる

 

 なお、このフローチャートはあくまで今回私が行った方法を示しただけで、実際にはモデル改造とエフェクト掛けの操作で行う操作は動画製作者様によって大分違います。極端な例を言えば、モデル改造をほぼ行わずにエフェクトだけでアニメ調にする人もいれば、逆にモデル改造だけでアニメ調を実現する人もいるそうです。まあとにかく最終的にアニメっぽい見た目になれば、手順などどうでもいいのです(雑)

 そんなこと言われてもどうすればいいかよく分からない、という方がほとんどかと思いますが、皆さんはとりあえず今回私が書いていくような初心者向けのトゥーン調実践記事を読み、それを実践してみることで、MMDトゥーン化路線の根底にある基本的な考え方の「型」を学んでみましょう。とりあえず考え方を知ってから、それから自分のやりたい方向性を見つけていくのが、たぶん一番手っ取り早いと思います。

トゥーン化の方向性は色々ある

  前項で「トゥーン化の型を学べ」と書きましたが、「MMD トゥーン」とか適当にググれば、型を学ぶために有用なサイトは色々出てきます。(下に私が参考にしたサイト様のリンクを貼っておきます。)私の記事でもいいのですが、これらのサイト様の中から、文章が分かりやすいサイト様や、自分が求めている理想のトゥーン調に近い絵柄を作っているサイト様など、自分に合うものを選んで、それを真似してみるのが良いと思います。分からないことがあればさらにググってみましょう。各ページによって全く違うことが書いてあっても、最終的に見た目がアニメっぽくなればそれでいいので、無駄に悩まずテキトーにどっちかを採用していけばいいです。一度できるようになれば、大体判断は付くようになりますので、その時になってから悩みましょう。

 当たり前のことですが、あなたがたまたま私のこのサイトに流れ着いたからと言って、私の記事を必ず使わなければならないわけではないのです。私は私の記事を読んで欲しいのではなくて、とにかくただアイドル部やシロちゃん、ばあちゃる君などの出演するトゥーン調MMD動画がもっと見たいのです。トゥーン化の導入はそこまで難しいものではないので、動画や静止画製作以前の導入段階で躓いて欲しくは無い。とにかく、MMDのトゥーン化に少しでも魅力を感じた皆様に、何としてでもトゥーン化の技術を身につけて頂きたいのです。だから、基本を手早く身に着けて、さっさと君のトゥーン調動画を見せてくれ(本音)

 私が参考にしたりしなかったりしたトゥーン調入門サイト様の列挙

ch.nicovideo.jp

ch.nicovideo.jp

ch.nicovideo.jp

ch.nicovideo.jp

mikudan.blog120.fc2.com 

 

必要となる予備知識とサイトマップ

 いきなりの早口オタク文章に怯えたり他サイト様に流れたりしてだいぶ人が離れてきた頃かと思いますが、ここで私が書いた一連の記事のサイトマップを示していきたいと思います。

 なお、全くの初心者で今回初めてMMDを使うぞという方は、最低限MMDチュートリアルなどをやってきた方が良いんじゃないかなと思います。一日あれば終わります。一度でもMMDで動画や静止画を作ったことがある方ならやらなくて大丈夫です。

mikudan.blog120.fc2.com

 

 ではサイトマップです。ナンバリングされている記事はできれば順番に読んで欲しいです。番外編に入っている記事は、トゥーン調MMDの実現のために直接必要という訳ではないので、興味があったら読むぐらいで大丈夫です。(2019/3/7:番外編は現在未執筆)

1.はじめに(この記事)

2.モデル改造編

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

3.エフェクト編

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

4.モーション編①、モーション編②

namuzoh-quanto.hatenablog.com

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

番外編

・動画で使ったパラメタ

namuzoh-quanto.hatenablog.com

・みんなの牛巻モデルに腹巻を着せてあげたい(未執筆。すでに同様の内容がtwitterで流れてたので、書かないかもしれない)

 

トゥーン調MMDの作品例など

  おわりに、トゥーン化の需要は一定数あるということと、トゥーン化にたった一つの正解は無いということを伝えるために、他の方によってニコニコにアップロードされたトゥーン調の作品をいくつか貼り付けておきます。一口にアニメ調といってもいろいろあるんだなあということが分かると思います。


www.nicovideo.jp

*↑私はこの作品を観てトゥーン調にハマりました 本当に素晴らしい

 

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

www.nicovideo.jp

 

 貼 り す ぎ

 

  MMDではなくプロのアニメーター集団の話なのですが、参考になりそうな映像の例として、例えば「サンジゲン」というアニメ制作会社さんが、まさにプロの現場でセルルックの作品を追求しているそうです。この映像凄いですね。(アニメに疎いので詳しくは紹介できないです、すみません)

www.youtube.com

www.pixivision.net

 

 あと、私のようにアニメに疎い方達は、アニメ絵の色々なパターンを知るために沢山アニメを見て研究していく必要があるかもしれませんが、VTuberを観たりMMDをやったり学校や仕事に行かなきゃなので時間が無い!という人は多いと思います。そんな時は、(キャラやストーリーなどの評論ではなく)アニメの作画とか製作の側に詳しい方が書かれている評論系のブログを探してみましょう。一般書籍とかコミケの評論系同人誌などにもそういった内容のものがあるかもしれません。

 例えば、私がハイライトについてよく分からなかった時にたまたま見つけたサイト様なのですが、このサイト様ではハイライト表現を主軸に様々なアニメの作画の違いを詳しく評論されていて、アニメ調にも本当に色々あるのだなと非常に為になりました。MMDで正確に再現できるかはともかくとして、いろんなパターンを知っておけば、そのぶん表現の幅は広がると思います。 d.hatena.ne.jp

taida5656.hatenablog.com

 

 このブログを他の所で紹介することに関して

 多分居ないとは思いますが、トゥーン調MMDのさらなる布教の為にこのブログのリンクを他のところに貼りたいという方が万が一いらっしゃったら、どんどん貼ってくださって結構です。広告やアフィリエイトなどの、ブログ運営会社様ではなく私個人にお金が来てしまうようなことは一切やっていないはずなので、ニコ動の概要欄などにリンクを貼っても「MMDモデルの商用利用」とかにはひっかからないと思います。(間違ってたらご指摘下さい。)

「謝辞」で申しているように、このブログ記事は「私」が書いたというよりも、ただ偉大な先人たちの知恵をお借りし、それをまとめさせて頂いただけのものであります。お借りした知識自体は間違っていないと思いますが、私の解釈やまとめかたが完全に間違っている場合は十分にありますので、このブログをあまり信用しすぎないでください。また、お気づきの場合はご指摘いただけると有難いです。

 皆さん、トゥーン調MMDの敷居を低くして、どんどん広めていきましょう(願望)

 

謝辞

 今回、多くの方の御陰で、私はトゥーン調MMD作品並びにこのブログ記事を製作することが出来ました。

 トゥーン調MMDを知ってから数日で作ったダメダメなテスト動画に優しく的確なアドバイスを下さった、4名の名も知らぬニコ動コメントやりおるマン達。twitterにおいて、見ず知らずの私に対し、こちらの上達の段階を踏まえつつ幾たびも非常に本質的な情報を下さったray 様。分かりやすいブログ記事や素晴らしい作品を沢山残してくれた先人トゥーン調MMD愛好家たち。MMDのモデルやソフト、エフェクトなどを配布して下さっている方々。そして何よりMMDと出会わせてくれたアイドル部やシロちゃん、馬P。この度は本当に有難うございました。

豆腐でもわかっちゃった!トゥーン調MMD講座 2.モデル改造編

 このブログでは、MMDでモデルをトゥーン調(セルアニメ風)にして動かしてみたいという初心者の方を対象に、私が実際に行ったトゥーン化の手順をお伝えしております。

 今回の記事では、トゥーン化に必要となる(必要とならない場合もある)モデル改造について、具体的なやり方を書いていきます。

  「はじめに」の記事から順に読んでいくことをお勧めします。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 私自身も初心者であるため、間違っている箇所や、この記事よりももっと効率的な方法などがあるかもしれません。お気づきの方は、コメント等でご指摘いただけると非常に助かります。

 改造は必要か?

 

 何度もしつこく申しておりますように、このブログで紹介するトゥーン化の方法は、あくまで幾通りもあるトゥーン化のやりかたのほんの一例に過ぎないです。モデル改造をほとんどせずに、エフェクトのみを利用してアニメ調を実現できる場合もあります。

  なお、改造が必要かどうかの判断基準として、とりあえず先に私のブログや他サイト様の「トゥーン調実践 エフェクト編」のような記事を読み、モデルを改造しないまま、もしくはスフィアマップやToonマップなどを切っただけ(後述します)の状態でモデルにエフェクトを掛けてみると良いかもしれません。その状態を自分の眼で見て「ああ、これはトゥーン調だ」と思えるのなら、それ以上のモデルの改造はしなくて良いでしょうし、「なんかアニメっぽくないなぁ」と感じるなら改造した方がいいかもです。

 とりあえずモデルをトゥーン調にしてみたいという方、何のことだかさっぱりだぜという方などは何もせずこのままお読みください。

 

*モデルを改造する前に、必ずそのモデルが改造可能なものであるかどうか(配布者から改造許可が出ているかどうか)を確認しましょう。通常ならダウンロードしたモデルに同梱の「ReadMe」ファイルやモデルの配布ページなどに載っているはずです。アイドル部やばあちゃる君などのモデルは「パーツ移植を禁止しているモデルからパーツを移植する」をしなければ改造は禁止されていないようですが、本人たちの「価値や品位を下げる」改造は絶対にやめましょう。

 

用意するもの

  まず、トゥーン化したいモデルを準備しましょう。

 

3d.nicovideo.jp

 モデルの他に、以下のソフトを用意してください。

・PMXエディタ

kkhk22.seesaa.net

 ・GIMP

www.gimp.org

 

 いずれのソフトも既に一定数のノウハウがネット上に蓄積されているため、インストール方法や詳細な使い方など何かわからないことがある場合は、ググれば解決できると思います。

 なお、既に何らかの画像処理ソフトに精通している方は、GIMPではなくそちらをお使い頂いて結構です。その場合「スフィアマップやToonマップを無効化する方法」の項あたりまで読んだ時点でこの記事は用済みになりますので、適当に見切りをつけてご自身でテクスチャ塗りを進めていき、完了したら次の「エフェクト編」へお進みください。

 

モデルデータの仕組みを知る

 それでは本題に入ります。

 改造の前に、まずモデル入りzipファイルを解凍し、中身を見てみましょう。 

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 上の画像のように、「ReadMe.txt」、「○○.pmx」などといったファイルや、モデルを無理やり平面に圧縮したような不思議な画像(あるいは「texture」フォルダ)が入っていると思います。

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(上の画像では、モデル規約の関係上ボカシを入れてあります。後述)この不思議な画像は「テクスチャ」と呼ばれるもので、3Dモデルの表面に貼り付けるための画像です。人間など複雑な描写が必要となるMMDモデルでは、立体の表面に直接色を塗るのではなくこのような平面画像を表面上に貼り付けていくことによって、複雑な色や模様を作っているのです。

 このテクスチャをGIMPなどの画像編集ソフトで編集することで、3Dモデルをアニメ絵で言うところの「ベタ塗り」の段階に持っていくことが、この記事の目的です。

 

スフィアマップやToonマップをどうするか問題

  これに加えて、トゥーン化の改造においては、スフィアマップとToonマップの説明もしておかなくてはなりません。

 スフィアマップとToonマップは、いずれもテクスチャに自身の画像内の色を合成して最終的な材質の見え方を変える機能であり、スフィアマップの方は、材質表面での光の反射や明るさなどの影響を付与し、Toonマップの方は、材質の光が当たっていない部分に影を付与します。

 具体的には、スフィアマップは金属のメタリック感とか服や髪の毛のツヤ感、ストッキングの透け感などを出す為に使われ、Toonマップは影の付き方を色々と変更するために使われます。

スフィアマップについては以下のサイト様がわかりやすいです。読めば大体どんなものか理解できるようになると思います。

modelsakusei.jugem.jp

マップのより正確な話はこちらの記事を参照下さい。

・スフィアマップについて

czpanel.com

・Toonマップについて

czpanel.com

 このスフィアマップとToonマップが適用されたままだと、「カメラや光線と材質との角度によって、材質に合成する色を少しずつ変える」というスフィアマップとToonマップの機能のせいで、いくら頑張ってテクスチャをベタ塗りしても、マップや材質によってはグラデーションが生じてしまい「ベタ塗り」感が出なくなってしまうことがあるのです。そのため、場合によってはこれらのマップを無効化する必要が出てきます。

 これらのマップがトゥーン化に悪影響しているかどうかの判断は、ベタ塗り処理が終わってから、実際にMMD上でトゥーン化用の各種エフェクトを掛けてみないと、多分判断できないと思います。改造が終わってエフェクトを掛けたときに何か違和感を感じたときは「スフィアマップとToonマップ」のことを思い出して、しっくりこない材質のスフィアマップやToonマップを一つ一つ切ってみましょう。手順は次の項で示します。

とにかく急いでるという方や、私のようにいちいち確認するのが面倒という面倒くさがりの方などの為に、次の項で、モデルの全ての材質のスフィアマップとToonマップをいっぺんに無効化する方法を紹介します。忘れないうちに今の段階でやっておくと良いと思います。

 なお、ばあちゃる君モデルなら最初からスフィアマップもToonマップも入ってないので、何にも悩む必要がないです。

 

スフィアマップやToonマップを無効化する方法

 まずは、スフィアマップの無効化の方法を示します。

 DLしたPMXエディタのzipファイルを解凍したら、「PMXEditor」などと名前が付いているEXEファイルを実行してください。しばらく待つと、次のような2種類のウインドウが表示されると思います。*1

 

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 ソフトが立ち上がったら、「Pmx編集」という名前の方のウインドウの、ファイル(F)タブを押し、タブ内の開く(O)ボタンを押しましょう。

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そこから改造したいpmxファイル(例えばばあちゃる君なら"virtual_v1.0.pmx")を指定し、再び開く(O)を押すと、次のようにモデルが表示されるはずです。下の画像は牛巻りこちゃんです。

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  この画面になったら、まず最初に、Pmx編集ウインドウのファイルタブから名前を付けて保存(S)を押して、開いたpmxファイルを別名で保存しましょう。

 別名保存が終わったら、Pmx編集ウインドウの材質タブをクリックし、画面左側にある白い枠内の文字を上から下まで全て選択します(ドラッグ&ドロップで出来ます)。全選択できたら、画面下側の、スフィアと書かれた枠などの隣にあるプルダウンメニューをクリックし、「ー無効」を選びましょう。これで全ての材質のスフィアマップが解除された(無効になった)ので、上書き保存して作業完了です。

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  Toonマップの場合は、白い枠内の文字を上から下まですべて選択した後で、Toonと書かれた枠の中の文字を削除します。これで全ての材質のToonマップが無効になります。上書き保存して作業完了です。 

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 個々の材質ごとにスフィアマップやToonマップを切ったり切らなかったりしたいという方は、「すべて選択」をせずに、切りたい材質だけを選択して上と同じ操作をすればOKです。

 

テクスチャを変更する方法

 PMXエディタを開いたついでに、テクスチャのベタ塗りが終わった後でそのテクスチャ画像をモデルに読み込む方法を先に書いておきます。

 操作は簡単で、テクスチャを変更したい材質を左の欄から選択し、Texと書いてある枠の中のファイル名を、新しいテクスチャのファイル名に書き換えるだけです。

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なお、ファイル名を書き換えたら材質が真っ白になってしまった!というときは、恐らくファイル名を入力ミスしています。ファイルのスペル(拡張子とか間違えやすい)を再度確認してください。

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トゥーン化の王道はベタ塗り

  というわけで、3Dモデルのテクスチャを編集していきましょう。

 ここからはほぼGIMPの操作説明になりますので、他の画像編集ソフトを使うという方や、既にGIMPの使い方はバッチリだという方などは、もうこの記事は閉じてどんどんベタ塗りを始めちゃって下さい。

 今回の記事でも、実際のばあちゃる君のテクスチャ画像なんかを使って実際の操作を示していくと分かりやすくなると思うのですが、「テクスチャ画像の公開」が規約上の禁止事項である「モデルデータの転載・再配布」に当たるのでは?と個人的には思うので、今回は加工可能なフリー素材様を使って加工の技術や手順を示していくことにします。

 今回お借りする素材はこちらになります。…どこかで見たような光景ですが、エナドリの種類が「レッド〇ル」ではなく「リ〇ビタンD」のようなので、多分他人の空似です。

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素材を配布して下さっているサイト様:

https://ai-catcher.com/blog/tag/%e7%a4%be%e7%95%9c/

 

 この素材には漫画調の色塗りが成されていますが、この素材がテクスチャであると考えたとき、画像になされている繊細なグラデーションが、のちのちエフェクトを掛ける際に邪魔になります。このグラデーションを取る為に、小さい頃にやったであろう塗り絵のようにして、部位ごとにテクスチャ画像をベタ塗りしていく必要があるのです。

 という訳で、GIMP等の画像編集ソフトで、お手持ちのモデルのテクスチャをベタ塗りしていきましょう。以下に、GIMP操作の基礎や、ベタ塗りをする際に役に立つかもしれないGIMPのテクニックを示していきますので、読んでからベタ塗り作業をやってみて下さい。

 作業を始める前に、GIMPを「シングルウインドウモード」にして下さい。ウインドウタブのプルダウンメニュー内の、シングルウインドウモードと書かれたボタンの左側にチェックマークがついているか確認し、付いていないようならクリックしてチェックマークを付けて下さい。(画面表示をこの記事と同一にするためです。気に入らなかったら、この記事を読んだ後にオフに戻して下さい。)左右にあるツールの幅は自由に調整できるものなので、この記事とツールの幅が違ってもあまり心配しないでください。

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 また、編集したいテクスチャの画像を読み込んでおいてください。「ファイル」タブ→「開く/インポート」です。

 では始めます。まずは色指定の方法を紹介します。GIMPにもスポイトツールがあります。画面左側のアイコンの中からスポイトアイコンを探し、クリックしてください。

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スポイトモードでは、画像内の色を吸い取って描画色とすることが出来ます。ベタ塗りしたい箇所の色を適当にクリックしてみて下さい。

吸い取った色は「描画色」として一時的に保存され、鉛筆ツールや塗りつぶしツールを使ったときにその色で描画されます。現在の描画色を確認するには、画面左側の四角形が二つ重なっているアイコンの、上側の四角形をクリックしてください。

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以下のような小さいウインドウが出てくると思います。「以前:」と書かれている方の枠に、スポイトで吸い取った色が入っているはずです。

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 ベタ塗りではあまり使わないかもしれませんが、スポイトを使わずに描画色を指定する方法についてもいくつか述べておきます。まず、見てわかるように、上に示した「描画色の変更」ウィンドウから色の指定ができます。左側の四角形を使って感覚的に色を探したり調整したりできます。色指定の四角形の上についてる小さいタブを変更すればモード切替ができます。個人的には、右から二番目の、再生ボタンみたいな形のタブが色の微調整に便利な気がします。

また、新しい色を発見したいときは、以下のサイト様などを使って色を探すこともできます。

 syncer.jp

ページ下部の色を選択すると、選択した色の「数値」がページ上部のほうに表示されます。このうち、一番左上にあるR、G、Bの値(Aは透明度なのでとりあえず無視して大丈夫)を、GIMPに戻って「描画色の変更」ウィンドウのR、G、Bの枠の横に入力すれば、「現在:」の枠の色が、サイト様で探してきた色になると思います。この状態でOKボタンを押せば、GIMP内でその色が塗れます。

 次に、色を塗るための筆についてです。GIMPには鉛筆、ブラシ、エアブラシの三種類の線描ツールがあります。この三つは線のフチのぼやけ具合が違い、なかでも鉛筆のフチは絶対にぼやけないようにできているようです。以下の画像は、ペン先の形状を同じ「1.Pixel」にし、太さなどの条件を同じにした比較画像です。

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すなわち、ベタ塗りの際は、線の輪郭がボケない方が望ましいので、鉛筆ツールを使っていきましょう。

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鉛筆の線の太さや筆先の形の変え方について述べます。鉛筆ツールを選択した状態で、今度は画面右端の縦長の枠上部の、スライド式スイッチのようなものが二つ横並びになっている小さいタブを選択してください。右側の枠に見当たらない場合は、「ウインドウ」タブ→「ドッキング可能なダイアログ」と押して「ツールオプション」を選べば追加できます。線の太さや形などが選択できる画面になります。設定をいじれば細い線も太い線も自由に作れます。

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 加えて、画像の細かい部分を塗っていくときに必要となる「画像の拡大表示・縮小表示」機能は、表示タブ→表示倍率で出てくるメニューから指定できます。f:id:Namuzoh_Quanto:20190305234548p:plain

 「元に戻す」系の操作は、編集タブから行う他に、右側の枠で小さな矢印タブのモードにすることによっても可能です。右側の枠に見当たらない場合は、「ウインドウ」タブ→「ドッキング可能なダイアログ」と押して「作業履歴」を選べば追加できます。

  ここまでがベタ塗りをするための基本操作です。実は、以上の操作は全て、あのシロちゃん御用達のお絵かきソフト、「ペイント」でもだいたい出来ます。しかし、GIMPはこれから紹介する「塗りつぶし」周りの機能がとても強力なので、GIMPのほうがベタ塗りの作業効率が上がるはずです。

 それでは塗りつぶしモードの解説です。塗りつぶしのアイコンを左側のツールから探し、クリックして下さい。そして、鉛筆のときと同じようにして、右側の枠の上部のスライド式スイッチのようなタブを選択してください。これで右側のウインドウから色々な設定を変えることが出来るようになるのですが、その中でも「しきい値」というパラメタがとても便利です。しきい値は「塗りつぶしの際に、どの程度の範囲の色を同じ色と認識するか」ということを決めるパラメータで、小さくすれば一度に一色だけ塗りつぶすことが出来るし、最大にすれば元の色にかかわらず画面全体を同じ色で塗りつくします。

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すなわち、同系色によるグラデーションが付いている領域に対して、しきい値をいい感じの値にして塗りつぶしを実行すれば、その領域を一気にベタ塗り化することが出来るのです。とはいえ、一発でしきい値の値を見極めるのは難しいので、「元に戻す」を駆使しつつ最適な所を見つけていきましょう。

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 もっと欲が出て、画面内の似たような色を一度の操作でまとめて塗りつぶしたい、という場面が出てくるかもしれません。その場合の手順を示していきます。「選択」タブから「色域を選択」をクリックして、その後、例によって右側のスライド式スイッチのようなタブをクリックして下さい。ここでしきい値などを変えながら、塗りつぶしたい箇所すべてが「選択」された状態になるようにしてください。選択箇所は点滅する点線で囲われます。

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この「選択」状態のまま「塗りつぶし」モードに戻り、「塗りつぶす範囲」を「類似色選択」から「選択範囲」に変えて下さい。これで塗りつぶしを実行すれば、一気に同色を塗りつぶしできます。(しきい値によって塗りつぶしをしたいときは、元の「類似色選択」に戻してください。)

 ただ、この方法だと、以下の画像のように全く意図していなかった領域にも色がついてしまうことがあります。こういった場合は、一度「元に戻る」で戻し、以下に示す方法で、選択範囲をさらに狭めてから色を塗りましょう。(本記事ではわかりやすさの為に色を付けたままにしてあります)

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まずは、先程と同じ手順で色域選択をしましょう。その後、選択状態を維持したまま、左側のツールバーから「矩形選択」を選んでください(矩形選択以外でも可。後述)。そして右側のツールから例の二つのスライド式スイッチの絵のツールを選択します。ツールが出たら、範囲選択モードを切り替えます。白い四角形と赤い四角形が重なっている小さいアイコンを押して、「現在の選択範囲との交差部分を新しい選択範囲とします」モードにしてください。(下の画像を参照下さい)

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このモードにすれば、色域選択で選んだ範囲のうち、自分が本当に選択したかった領域だけに絞って選択範囲を指定しなおすことが出来るのです。矩形選択でお目当ての部分だけ選んだら、先程と同じ手順で選択範囲に塗りつぶしをしましょう。今度は以下の画像のようにお目当てのところだけ塗れると思います。

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なお、図形で範囲指定をするモードは、「矩形選択」の他にも「楕円選択」と「自由選択」があります。特に自由選択はどんな図形でも作れる優れものなので、最終手段として覚えておきましょう。

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自由選択については詳しく解説しないので、以下のリンクを見たりググったりしてください。

gazocustomize.xyz

 以上の操作を組み合わせていけば、基本的にベタ塗りはできるはずです。塗りつぶし機能を可能な限り使い、塗りつぶし機能でどうしても塗れなかったところは鉛筆で塗っていきましょう。気合いと時間があれば必ず完成します。

 なお、テクスチャの透過度をベタ塗りにおいても再現したいという方は次項をご覧ください。(必ずしもやる必要はない操作なので別項目にしました。後述)

 最後に、編集したテクスチャ画像を保存する方法です。ファイルタブ→名前を付けてエクスポート、です。上書きエクスポートをしてしまうと、トゥーン化せずに通常モデルを使いたくなった時や作り直しをしたいときなどに不便ですので、必ず別名で保存するようにしましょう。

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髪の毛などの、「透過度」を持つテクスチャについて

 ベタ塗りをしていく上で 、例えば前髪パーツや北上双葉ちゃんのワンピースなど、透けている部分を持つテクスチャもあると思います。この透け感は、テクスチャに書き込む方法の他にもエフェクトで後付けする方法もあり、エフェクト編で紹介する「PostAlphaEye」というエフェクトを使えば大体は再現できます(再現できない場合もあります)。そのため、この項に書く内容は必ずしも行う必要がないかもしれませんが、テクスチャで透過度を細かく再現したいという方や、エフェクトでは再現できなかったという方は参考にして下さい。

 まず、元画像の透過度がいったいいくつなのかを数値的に知るための機能が「ピクセル情報」モードです。右側の枠の上部からカーソルのアイコンのついたタブを選択してください。右側の枠に見当たらない場合は、「ウインドウ」タブ→「ドッキング可能なダイアログ」と押して「ピクセル情報」を選べば追加できます。このモードでは、カーソルを合わせた位置にあるピクセル(画像の最小単位のこと)の色々な情報を見ることが出来るのですが、そのなかの「A(不透明度)」というのが透過度に当たる数値です。元画像の透過度を知りたい位置にカーソルを合わせて不透明度の値を確認し、必要ならメモしておきましょう。

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  それでは透過色を塗っていく方法です。まず、いずれかの選択ツールを用いて、色を透過させたい領域を「選択状態」にしてください。選択状態になったら、PCのキーボードの「Delete」キーを押して下さい。すると、選択領域の色が全て削除され、その部分が完全な透明(不透明度0)の状態になります。下の画像のように、選択部分に謎の市松模様が見えていれば成功です。

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もし選択部分が市松模様ではなく白色になってしまった場合は、アルファチャンネルを追加してあげる必要があります。「レイヤー」タブ→「透明部分」→「アルファチャンネルの追加」の順に選択してください。

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無事に選択領域が完全透明状態になったら、その領域に不透明度を下げた色を塗りつぶししてあげればOKです。不透明度を下げる方法は下の画像を参照下さい。不透明度の値は先程メモした元画像の不透明度を参考にすると良いと思います。

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 透過度を持つテクスチャの作り方の話は以上です。もっと楽な方法があったら是非コメントなどで教えて下さい。

 

テクスチャの色数を減らす方法(非推奨)

  ベタ塗りがめんどくさそうだからトゥーン調は諦めようかな…という方も出てきたのではないでしょうか。かくいう私も、ベタ塗りをやろうとして、見事挫折した側の人間です。今思うとそこまで大変な作業でもないような気がするのですが、始めたての頃なんかはハードルが高いと感じてもおかしくないです。(自己の正当化)。そんな方の為に、私が行っていた、正確にはベタ塗りではないけど近似的にベタ塗りっぽくできる(画像によってはできない場合もある)GIMPの機能を紹介しておきます。

 なお、最初に注意しておきますが、この方法で出力されるテクスチャには色塗りの粗が生じてしまいます。この粗は実際の映像でも結構目立ちます。ちゃんときれいにベタ塗り化したい方は、やはり正当な手順を踏んでベタ塗りしていくか、(作業量が通常のベタ塗りとあまり変わらなくなってしまいますが)この方法を取った後に粗をちゃんと手直しするかしましょう。

また、この方法を取ることができないテクスチャも一定数あり、例えば私がやったときは、グラデーションが繊細な顔パーツや、牛巻りこちゃんの瞳のパーツにはこの方法は適用できませんでした。*2ばあちゃる君のスーツの市松模様も消えてしまいました。

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↑粗が見える箇所の例。スカートが一部変色したり、模様が一部欠けちゃったり、宝石の周りの部分にグラデーションが残っちゃったりしています。*確かこれらの画像ではスフィアマップやToonマップを切り忘れていると思います。*3

 また、この方法では透明度の情報が完全に消えてしまう(0か100のいずれかになってしまう)ので、透明度塗りとこの操作とを併用したい場合は、こちらの変換を行ってから透明度関連の操作を行いましょう。

 ではやり方を示します。まず、「画像」タブ→「モード」→「インデックス」の順に選択してください。

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 下の画像のような小さいスクリーンが表示されると思います。このうち、「最適パレットを選択」にチェックを入れて、「最大色数」を適当に変更して下さい。目安としては、パッとテクスチャを見て画面全体が大体どれくらいの数の色で塗られているか数えて、その色の数を入力してみてください。

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入力出来たら「変換」を押して下さい。画像の感じが変わったと思います。一発でうまくいくことは少ないので、「元に戻る」をつかって何度かやり直すことになります。色数を色々調整してみて上手くベタ塗りになったらそれで成功です。どの数字にしてもうまくいかないようなら、潔く諦めましょう。今回の場合、私はスーツの色がどうやってもグラデってしまうので、スーツ部分を諦めました。

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インデックス変換をしてから再度色の塗り直しや塗りつぶし等をしたくなった場合は、「画像」タブ→「モード」→「RGB」の順に選択して、元のモード(RGBモード)に戻してから操作してください。

 

 最後にもう一度繰り返しますが、トゥーン化におけるテクスチャ編集の王道は、やはり愚直なベタ塗りです。トゥーン化の全体的な流れに慣れてきたら、ベタ塗りに移行していきましょう。たぶんその方がクオリティが上がります。

 

 

(補足)この記事の執筆途中に、色数を減らす為の別の方法である「ポスタリゼーション」という機能を発見しました。あまり研究できていないのでちゃんとしたことが書けないのですが、インデックスモードによるやり方とは出力される色合いが大きく変わる変換のようです。また、ポスタリゼーションでは透明度の情報が維持されるようです。

 ポスタリゼーションのやり方です。「色」ツール→「ポスタリゼーション」の順に押して、出てきたウインドウで「ポスタリゼーションのレベル」をぐりぐり動かして下さい。プレビューをオンにしておくと色がリアルタイムで変わってくれて便利です。OKボタンで色を確定できます。

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 「インデックスモードでは上手くいかなかった」と述べた瞳テクスチャについて、ポスタリゼーションでやってみたところ、なんかいい感じになりました(違和感はありますが、重要な線がちゃんと残ってくれているので、上手に塗り直しできれば実用できるかもしれません)。

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↑レベル2のポスタリゼーションを適用した瞳と、通常の瞳(オッドアイ

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↑目の上の方に出てしまっていた濃い青色を塗りつぶしてみた

 逆にインデックスモードでは上手くいっていたのにポスタリゼーションモードではうまくいかなくなってしまった例もたしかあった気がします。

 とりあえず片方を使ってみて、上手くいかなかったらもう片方を使ってみる、とか、なんかいい感じに使い分けてみればいいんじゃないでしょうか(適当)

 

 ばあちゃるくん

  実際のモデルにおけるインデックスモードの適用例として、私がばあちゃるくんに行った色数操作のパラメタを公開しておきます。格好いい市松模様さえ諦めれば、ばあちゃる君はインデックスモード変換のみでトゥーン化可能です。

virtual_face.pngー>最大色数3

virtual_hair.png ー>最大色数3

virtual_suit.png ー>最大色数5

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色数を減らしてもなおネクタイのシロちゃん模様が視認できるという所に、個人的には凄く感動しました。

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 色が暗すぎると感じる場合、先に示した方法で色を探しても良いですし、以下に示す操作などを使ってみてもいいと思います。

「色」タブ→「色相・彩度」の順に押すと、小さいウインドウが出てくると思います。このウインドウで輝度とか彩度とかをいじるとテクスチャの色が全体的に明るくなります。

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分からなかったら詳細はググってください。 

 完全に脱線しますが、この方法で色相などを適当に弄ると、色だけですが、あの伝説の"赤薔薇のばあちゃる君"が再現できたりします。胸についてるはずの星マークの付け方は私には分からないので、「pmx モデル改造」などで検索してみて下さい。

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  インデックスモードで頑張った例として、金剛いろはちゃんの例も一応載せておきます。まだ粗が多いのですが、「ベタ塗り」をしたモデルがどんな見た目になるのかの大まかな参考にはなると思います。(完全版ではないので注意!)

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おわりに

 皆様作業お疲れ様でした。ベタ塗りのコツはつかめたでしょうか。

 モデル改造が終了したら、次のエフェクト編に進みましょう。エフェクトを適用していけば、きっと皆さまの推しがアニメ調になると思います。もう少し頑張ってみて下さい。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。

*1:

お使いのPC環境によっては、立ち上がったPMXエディタのウインドウ内のボタン配置が崩れてしまっているかもしれません。PMXエディタの公式サイトを見るに、「仕様なので直す気は無い」という感じみたいです。どうしても直したい方は下にリンクを貼ったページの「UIが滅茶苦茶で使いものにならない」という項に直し方が載ってますのでそちらを参照して下さい。私は「高DPIを~」の方だけ直して使ってます。

トラブルシューティングなど: とある工房

*2:顔は確か肌と同じ色の単色テクスチャ画像を別に用意しました。瞳は諦めて無改造のまま用いました。

*3:ごんごんの体2テクスチャの色数は6でやってます。模様は二色になっちゃったので、一方の色をもう一方の色で塗りつぶしし直しました。また、スカートの赤色は他の材質で出てくる赤色と同じ色で合わせるために塗りつぶし直しています。体1テクスチャは、どうやっても肌の色と服の白色が同じ色と認識されてしまうため、テクスチャを一度二つの画像に分割して、それぞれを別々に色数調整し、再び一つの画像に戻す、という意味の分からないことをしています。そのときは意地でもベタ塗りをやりたくなかったからです(本末転倒)。

豆腐でもわかっちゃった!トゥーン調MMD講座 3.エフェクト編 

 このブログでは、MMDモデルのトゥーン化(セルアニメ調にすること)の方法の基礎をまとめております。今回の記事では、MMDをトゥーン化する上でよく用いるエフェクトを機能別に紹介していきます。

 「はじめに」の記事から順に読むことを推奨します。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 長い記事ですが、初心者の方向けに詳しく書いたから長く見えるだけで、内容自体にそこまで難しいところは無いので、既にエフェクトを掛けるのにある程度慣れている方達は、文章自体は斜め読みで構いませんので、太字になっているエフェクトをどんどん掛けていって下さい。

 間違っている所のご指摘や、こうした方がもっと良くなるといったアドバイスなどございましたら、コメント下さると大変有り難いです。

エフェクトを使う必要はあるか

 他のページでも何度も言っていることですが、トゥーン化には様々な方法があり、その方法によって最終的に得られるモデルの質感も結構変わります。私の記事では、モデルにアニメ的な輪郭線や陰影、ハイライトなどを付与するためと、画面全体を良い感じにするためにエフェクトを用いていきます。前者については、それらの描写をモデルに直接書き込んでしまえれば、エフェクトを掛ける必要は無くなります。後者についても、実はMMD内でなくAviUtlなどの動画編集ソフトで付与することもできます(結局やってることは同じですが)。

 よくわかんねぇという方は、とりあえずこのページや他の初心者向けページをまねてみれば、そのうち分かります。このブログなどの初心者向けページでは、難しい技術の使用を避けてとっつきやすく基礎を学べるようにするため、モデル改造とエフェクト付与を併用していくスタイルを取ることが多いように思います。

MMEの導入とエフェクト適用の手順

  まず初めに、MMDでエフェクトを掛けるには、MikuMikuEffect(MME)という追加プラグインを導入する必要があります。トゥーン化に限らずMMEは割とよく使うので、まだの方はこの機会に入れておきましょう。以下のページを参照下さい。

okoneya.jp

 

 MMEに個々のエフェクトを読み込む手順は、各エフェクトごとに若干異なっており、アクセサリの欄からxファイルを読み込むもの、PMXモデルとして読み込むもの、MMEタブから材質ごとにfxファイルを適用するものの主に三通りあります(複合型もある)。それぞれのエフェクトがどの方法のものなのかは、ReadMeや配布動画、解説記事などで指示されていることが多いです。

 エフェクトの掛かり具合は、パラメータと呼ばれる数字を変えることで調整できます。「数字」といってもそこまで難しいことではなく、色の厳密な指定のような正確性を要するものや、ReadMe等でこの数字にしろと指示されているもの以外は、だいたいはエフェクトの掛かり具合を見つつ感覚で適当に数字を変えていくだけです。パラメータを変更する方法も各エフェクトにより異なります。ReadMe等を毎回見ましょう。

 配布動画などを一通り確認しても何が何だかさっぱりわからないような難しいエフェクトもたまにありますが、そのときはググったりtwitterの検索窓でエフェクト名を検索したりすると解決するかもしれないし、あるいはとりあえずパラメタをいじったら何かわかるかもしれません。

 主な三通りのエフェクトについて、それぞれ具体的にどう適用しどうパラメタをいじればいいのかを体系的に学びたい方は、以下のサイト様などを参照下さい。この記事でも手順を詳しく示していくので、必ず見ろという訳ではありません。

mmd-tb.jugem.jp

  なお、注意として、fxファイルを書き換える際は、書き換える前に必ず元のファイルのコピーを取っておくようにしましょう。盛大にミスったときや、別の動画や別のモデルにて同じエフェクトを違うパラメタで使用したいときなどに便利です。

本題

 というわけで、MMDのトゥーン化に際して付与すべきエフェクトを機能別に分類していきます。

 基本的にベタ塗り調に改造したモデルに掛けることを前提として話を進めていきますが、(私は使ったことないのですが)モデルのベタ塗り化を再現できるエフェクトがあるらしいので、途中で存在を紹介します。実際に使う機会があったらまた追記するかもしれません(すみません)。

 なお、「同じような機能を持つけど最終的な見た目が違う」という兄弟エフェクトは沢山あり、自分の好みに合うものをカスタマイズしていくのが理想なのですが、私自身がまだトゥーン化を一パターンのみでしか試していない初心者のため、申し訳ないですが、存在するエフェクトの網羅とか、それぞれのエフェクトの掛かり方の比較とか、そういったことは今回の記事で記述できません。また、私は今回紹介するエフェクトを十分な吟味の上で選んだわけでは全くなく、ただ最初に目に入ったからとか、他の方法に比べて適用が簡単だったからとかそういう感じで選んだものばかりです。

 今回の記事を一通り学び、各エフェクトの役割を理解したら、お手数ですが、下にリンクを貼ったwikiやグーグル検索、「はじめに」で示した他の初心者向け記事様や参考動画様のクレジット・コンテンツツリーなどを利用して、自分の求める性能や操作性に近いエフェクトを探していくことをお勧めします。「この機能はモデル改造で付けちゃえ」という部分は各自で改造して下さい。「とりあえずトゥーン調に見えれば細かいことはどうでもいいんじゃ」という方は、私が紹介したものを使い続けて下さっても全然構いません。

www6.atwiki.jp

目次

 ・シェーダー

・エッジ

・嘘影

・ハイライト

・リムライト

・目の発光

・髪の下の目が透けて見えるやつ

・ベタ塗り

・画面全体を良い感じにするやつら

 

・順番の並び替え

シェーダー

 シェーダーとは、読んで字のごとく、モデルに影(shade)を付けるエフェクトです。アニメ調にしたいときは、その中でもトゥーンシェーダという種類のものを用います。

 トゥーンシェーダーは本当にたくさんあるのですが、今回の記事ではless様の「かっつりトゥーンシェーダー」を使用します。

配布動画

www.nicovideo.jp

  かっつりトゥーンシェーダーは、影の色合いなどを調整するためにfxファイルというテキストファイルを書き換える必要があるのですが、最初はこちらのサイト様に従ってパラメタ調整していくと良いです。適切なパラメタは適用先のモデルによって異なるので、フォルダ全体をモデルの数だけコピーして、それぞれのフォルダを各モデル専用のかっつりトゥーンシェーダーとして使っていくと良いと思います。

イメージ図

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サイト様

ch.nicovideo.jp

↑このサイト様に従ってやっていけば、かっつりトシ君(長いので略した)のパラメタの仕組みが理解できるようになります。私からは解説しないので、お手数ですがリンクを踏んで読んで来て下さい。

  かっつりトシ君は、fxファイルを読み込んで適用させるタイプのエフェクトです。上のサイト様に従ってfxファイルを書き換えてみたら、MMEタブをクリックし、エフェクト割当ボタンを押しましょう。

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MMEのウインドウが表示されたら、Mainタブにおいて、シェーダを適用させたいモデルの名称を右クリックし、現れたメニューからサブセット展開を選びます。f:id:Namuzoh_Quanto:20190302185420p:plain

サブセット展開すると、そのモデルの材質(頭とか目とかのパーツのことと思っていただいて構いません)が全て別々に表示されるようになります。それぞれの部位について、右クリックし、ファイル選択を選び、部位ごとに「髪.fx」など該当する名称のfxファイルを適用させてみましょう。

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最初は上のサイト様のように全ての部位に「服.fx」を適用させてもいいかもしれません。ばあちゃる君は最初から全部服なので、これで何の問題もないね。見た目に納得がいかなかったら、サイト様を見ながら、MMDを開いたままでfxファイルを微調整していきましょう。再現性が良く分からないのですが、少なくとも私の環境では、fxファイルを上書き保存したら即座にMMD上でパラメタ変更が反映されます。

なお、「モデル操作」を「カメラ・照明・アクセサリ」モードにしておかないと、MMDの画面上や出力ファイルにおいてエフェクトが全く効かない(MMEが作動しない)ので、気を付けて下さい。

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私は最終的にこんな感じになりました。パラメタは別の記事(執筆する予定)にまとめて書きます。

 髪.fxと髪2.fxの違いについて。実際にやってみると分かるのですが、デフォルトのパラメタでは、髪.fxの方は髪の色が本来の色より白っぽくなり、髪2.fxの方は本来の髪の色に近い感じになります。何故なのか私はよく分かってません。好みに応じて使い分けましょう。

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 かっつりトシ君以外のトゥーンシェーダ―についても名前だけいくつか列挙しておきます。パッと見で使うのが簡単そうなものから順に並べてあります。かっつりトシ君に限らず、トゥーンシェーダー系は使用方法が煩雑なものが多いので、慣れましょう。

 

・お手軽トゥーンシェーダー

seiga.nicovideo.jp 

・A-Toon

seiga.nicovideo.jp

・下っ腹P 様の各種シェーダー G-ToonShaderやT-ToonShaderなど多数

3d-da.jp

・HAToon2

seiga.nicovideo.jp

 

・AlternativeFull ←トゥーン調に限らずリアル調など何にでも使えるらしい(上級者向け)

*配布動画のURLからは配布ページに飛べなくなってますが(私だけ飛べてないのだったら申し訳ありません)、less 様のOneDrive(後述するCroquis改と同じページ)上にちゃんとあります。

www.nicovideo.jp

エッジ付与

  輪郭線を強調したり、線の色や濃さ、太さなどを調整するエフェクトを、ここではエッジ付与系のエフェクトと呼ぶことにします。

 今回の記事ではless 様の「Croquis改_v2」を使用します。

配布静画

seiga.nicovideo.jp

  Croquis改は、アクセサリ欄からxファイルを読み込むタイプです。「モデル操作」を「カメラ・照明・アクセサリ」モードにして、「アクセサリ」欄の読込ボタンを押し、「Croquis.x」を読み込みましょう。

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パラメタについては、初めは配布ファイル内の「00_とりあえず使いたい人向け.txt」に書いてある通り、アクセサリの設定をX=1、Y=1、Z=1にして、エッジの太さ(Si)と濃さ(Tr)を調整してみましょう。良い感じに設定出来たら、「登録」ボタンを押して設定をキーフレーム登録しましょう。

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 慣れてきたら、配布ファイル内の「00_細かい設定.txt」や解説記事などを読んで、色や細かい設定などを変えてみましょう。fxファイルやfxsubファイル(fxファイルとほぼ同じようなもの)のパラメタをいじっていくことになります。操作がいきなり煩雑になってしまうので、先を急ぐ方は今回は飛ばしちゃっても大丈夫です。

ch.nicovideo.jp

ch.nicovideo.jp

 Croquis改の「細かい設定」の適用の具体例として、twitterでray 様に教えて頂いた情報をそのまま載せます。モデルによっては、下の左側の画像のように、目の周りにエッジが表示されてしまいます。これは、目と顔が別の材質になっているからです。こういったときは、MMEタグ内の「CM_EdgeStrengthMap」タグにおいて、目の周りの皮膚の材質に「EdgeStrengthDrawCanceler.fxsub」を適用させると、両者の間のエッジの太さが0になります。(画像では牛巻りこモデルの材質20と3に適用しています)

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同様にして、頭や顔の材質に「EdgeStrengthDrawYoreyore.fxsub」を適用すると、唇のエッジが薄めになります。これらの変更は絶対にするべきという訳でなく、自分の好みに合わせて行って下さい。

 なお、.fxsubという拡張子のファイルは、読み込みの際に表示ファイルの種類を「fxファイル」から「すべてのファイル」に変更しないと表示されないので注意です。

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引用元

twitter.com

 エッジ付与系のエフェクトは、Croquis系統(無印、改、これらのさらに派生など)の他にもいくつかあります。

・Dippen

seiga.nicovideo.jp

・コミカルエッジエフェクト

www.nicovideo.jp

・MultiEdge ←かっつりトゥーンシェーダーに同梱されているエフェクト

嘘影

  嘘影とは、おそらくMMD界隈における専門用語だと思われるのですが、「アニメでおでことかに出来る、キャラの前髪の影」のことを指すと私は認識してます(間違っていたらすみません)。

 下に示すイラストの前髪あたりのおでこの影に注目してください。この影のことです(多分)。2D時代のアイドル部メンバーや、かんたんごんごんとかちびたまちゃんなどにも付いてます。

↓例(参考になる、アニメ絵風のフリー素材様)

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著作権上必要な表記

タイトル:[ジュエルセイバーFREE]
URL:http://www.jewel-s.jp/

 

 MMDでは、この嘘影を実現するために、エフェクト付与かモデル改造のいずれかをしなければならない場合があります。いずれの方法も導入手順が面倒くさいのですが、嘘影がないと、「感覚的に何かが物足りない、少し違和感のある画」になってしまうことがたまにあるので、なるべく頑張ってみましょう。やってみて嫌になったらこの項は飛ばして下さい。

 なお、アイドル部メンバーのMMDでは、嘘影が標準でモデルに付属している子と付属していない子がいて、例えば金剛いろはちゃんには嘘影が標準で搭載されており、表情モーフで嘘影の有無を調節できるのですが、牛巻りこちゃんや木曽あずきちゃんには付いていません。使いたい子のモデルを一度確認してみて、嘘影が付いていないようだったらこの項の内容を実行して下さい。

ばあちゃる君はマスクをかぶっているので必要ないとおもう。

 今回の記事では、針金P 様の「LocalShadow」を使用します。*1

 配布静画

seiga.nicovideo.jp

 LocalShadowは適用の手順がめんどいのですが、それでもReadMeを熟読すれば何とかなります。以下に書く文章もReadMeと同じような内容です。

 まずは適用の手順です。LocalShadowは、pmxモデル読込型とfxファイル読込型の複合タイプです。

最初に、MMD上に、嘘影を付けたいモデルのpmxファイルと「LocalShadow.pmx」をモデル操作枠の「読込」から読み込みます(普通にモデルを読み込む手順で)。

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次に、読み込んだモデルの描画順序を操作したいので、MMD上部の「背景」タブを押し、プルダウンメニューのモデル描画順ボタンを押して下さい。

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下の写真のような小さいウインドウが出てきたら、モデルの順番が上から「LocalShadow」→「嘘影を付けたいモデル」の順番になるように並べ替えて下さい。元からこうなっているなら何も弄る必要はないです。モデルが三つ以上ある場合、LocalShadowとお目当てのモデルの間に他のモデルを挟まないように、必ずLocalShadowと嘘影を付けたいモデルが連続するようにしてください。最後にOKを押しましょう。

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その次は、モデル操作枠にある「外」と書かれた小さなボタンを押して下さい。このボタンは「外部親登録」という操作をするためのメニューを開くボタンです。ボーンを他のボーンに外部親登録すると、外部親登録の「対象ボーン」が、一方的に登録されてしまった「外部親ボーン」に追従して動くようになります。自分の実の親でなく外部の親にオギャっちゃうわけです。(なお、自分と同じモデル内のボーンを外部親にすることもできます。自給自足)

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「外」ボタンを押すと小さいウインドウが表示されるので、「対象ボーン」をセンターにし、「外部親モデル」を嘘影を付けたいモデル、「外部親ボーン」を頭や顔などにして、「外親登録」のボタンを押しましょう。これで登録が完了したので、×ボタンで小さいウインドウを閉じます。閉じた直後に、すぐにモデル操作枠の「登録」ボタンを押して下さい。

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その後は、fxsubファイルとfxファイルを読み込んでいきます。fxファイルの適用はかっつりトシ君とほぼ同じ手順なので、説明を簡素にしていきます。MMEタブのエフェクト割当を選択し、出てきた小ウインドウの「LSMapRTタブ」をクリックします。

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LSMapRTタブが開いたら、対象モデルを選択して、ファイル選択から LocalShadow_ShadowMap.fxsub を適用しましょう。繰り返しになりますが、.fxsubという拡張子のファイルは、読み込みの際に表示ファイルの種類を「fxファイル」から「すべてのファイル」に変更しないと表示されないので注意です。

fxsubを適用し終わったら、Mainタブに戻り、嘘影を適用させたいモデルをサブセット展開し、頭や顔など嘘影を落としたい材質にfull_LocalShadow.fxを適用しましょう。なお、デフォルトの状態では、Mainタブ内において、一つの材質には一種類のfxファイル(もしくはfxsubファイル)しか適用させることができないので、かっつりトシ君と併用させる際には、顔の材質にかっつりトシ君を適用するのは諦めましょう。(なお、M4Layerというエフェクトを使うと、適用できるfxファイルの数を増やすことが出来ます。使ってみてもいいかもしれません。後述)

 これでLocalShadowの適用が完了した…と見せかけて、まだ終わっていません。LocalShadowが適用される範囲は、最初に読み込んだLocalShadowのpmxモデルの、白い枠の中に囲まれた範囲内全体です。そのため、デフォルトの状態では、嘘影の解像度がむっちゃ低くなってしまっていて、下の画像のように嘘影のドットが見えちゃいます。(わかりやすさの為に、影の濃さモーフを最大にしてあります)。これは「ジャギってる」と呼ばれる現象で、美影モードにすれば普通はだいたい解消されるのですが、今回は美影オンでもまだ残っちゃってます。

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なので、↓この枠を、嘘影を適用させたいモデルの顔の部分にジャストフィットさせなければならないのです。

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↑このシュルレアリスムな枠のことです

操作としては、通常のモデルのボーンと同じように、LocalShadow.pmxのセンターボーンを移動させて、嘘影を付けたいキャラの顔を丁度囲むような位置に持っていくだけです。その際、同時に、表情モーフの「範囲縮小」の数値を大きくして、枠がキャラの顔の輪郭を丁度囲うか少し大きいぐらいの大きさになるようにしてください。位置の調整と表情モーフの調整が終わったら、それぞれ忘れずに登録ボタンを押しましょう。

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モデルごとに微妙に違うと思いますが、だいたいこんな感じになるように設定すれば大丈夫なはずです↓

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「カメラ・照明・アクセサリ」モードに戻すと、嘘影がジャギらず見えているはずです。(下の画像ではわかりやすさの為に影の濃さモーフが最大です)

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ここで先程の外部親設定が活きてくるわけです。外部親設定をしたおかげで、一度このように顔と枠との位置関係を定めてあげれば、その後はLocalShadowの枠が位置関係を保ったまま自動で顔を追尾してくれるので、キャラが移動しても、これ以上枠の位置を設定し直す必要が無くなるのです。

これでLocalShadowの導入は終了です。最後に、表情モーフの「透明」の値を最大にして、LocalShadowの枠線を見えなくしましょう。どうです、面倒くさかったでしょう。

 パラメタ調整の解説に移ります。こちらは簡単で、表情モーフの「影ぼかし」、「影薄く」、「影濃く」の値を調整して、自分の好みに合う嘘影を作るだけです。

私は完全に勘違いしていたのですが、ただ嘘影を付けたいだけなら、「Lt陰影連動」、「Lt遮影連動」、「Lt影濃調整」の3つの表情モーフは初期設定のまま弄らなくて大丈夫です。これらのモーフがどういう役割なのか私はよく理解していないので、気になる方はReadMeなど参照して下さい。

 以上の操作をやれば、嘘影は導入できます。しかし、同じモデルを何回も使いたいときなどに、毎度毎度この設定をするのは非常に大変です。私は馬鹿なので、毎度これをやって毎度どこかで設定ミスしてました。そこで、モデル改造によりLocalShadowの設定をモデルに組み込んでしまう方法も存在します。こちらも面倒なのですが、一度やれば二度とやらなくていいので便利です。

 詳しくはLocalShadowのフォルダに同梱されている「モデル組込版」というフォルダ内の「readme_モデル組込版.txt」を読み、その通りにやりましょう。

*私がまだこの改造を行ったことがないため、現時点では解説が書けないのです。実際に試した後にこの部分を追記する予定なので、お待ちください。もしくは自力でやっていって下さい。申し訳ありません。*

 なお、モデル改変により嘘影を実現する方法は、以下のサイト様のような方法もあります。こちらは割と難しいので、3Dモデルの作成や改造にある程度慣れている人向けです。

ch.nicovideo.jp

 ↓私もこのサイト様に従って改造を試してみたのですが、3次元的な操作が下手くそなせいで、斜めからよく見ると影がぐちゃぐちゃになってしまっています。

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 応用編として、かっつりトシ君でなく例えば「Toon セット顔だけLocalShadow」  という「HAToon2」を改変したシェーダを使うと、顔にシェーダを掛けつつ同時に嘘影を実現できます。また、この記事の最後に触れる「M4Layer」というエフェクトを使うと、かっつりトシ君と嘘影が両立できます。この記事では詳しく解説しないので、次回以降、ご自身でトゥーン調を実現していく際の参考になさってください。

 「Toon セット顔だけLocalShadow」はreadmeに相当する文章が簡素なため少し難しいかもしれません。「LocalShadow_v003の中身をトゥーン顔フォルダに入れる」必要があるので注意です。

引用元:ray 様

ray on Twitter: "はじめまして。「Toon セット顔だけLocalShadow」ってのがおすすめです。(牛巻は大丈夫ですががぽんぷ組?は顔にだけ影ができない作りになってるので最初からある髪影材質をいじった方が良さそう)
使い方はLocalShadow_v003の中身をトゥーン顔フォルダに入れてmain顔に代わりにトゥーン.fxを適用です… https://t.co/KMzhhNy7BW"

 

 嘘影導入のより簡単な方法をご存知の方は、教えて頂けると有難いです。

ハイライト

  導入がめんどくさい所は大体終わりました。皆様お疲れ様です。基本的な操作をだいたい網羅したので、以下では操作説明を雑に書くようにしていきます。

 次はハイライトです。ハイライトとは、キャラクターの髪の毛や目、服、肌など至る所において、光の反射を表現するために、白い色(明るい色)を上から書き足す表現のことです。

 絵で見た方が分かりやすいです。髪の毛に出来るハイライトとしては、嘘影の項で示したフリー素材様の、右側の女の子の前髪が分かりやすいと思います。一方、身体に出来るハイライトとしては、少しわかりにくいかもしれないですが、フリー素材様の左側の方の女の子の太ももを見て下さい。よく見ると白い線が走っていると思います。これです。

 髪のハイライトについては、下のサイト様や「はじめに」でちょっとだけ触れたサイト様の画像も分かりやすいです。

d.hatena.ne.jp

  実際のアニメでは髪にだけハイライトを入れるということが多いということや、私がこれしか知らないということを理由に、今回の記事では髪の毛に出来るハイライトについてのみ取り扱っていきます(知識の不足が多くて申し訳ないです)。ハイライトは、MMDのモデルにおいては、ほとんどの場合最初から髪のテクスチャに書き込まれているのですが、トゥーン化においては髪のテクスチャを一つの色でベタ塗りするので、元々書き込まれていたハイライトが消えてしまいます。そこで、エフェクトの使用によって髪の毛にアニメ的なハイライトを付与していこうという訳です。(もちろんテクスチャに直接ハイライトを書き込んでもいいのですが、初心者にはちょっとハードルが高いかなと思います)

 今回は金子卵黄 様の「ハイライトセット v2」というエフェクトを取り上げます。このエフェクトを使うと、上の記事様で言うところの「ざっくり型」とか「両側型」のハイライトを入れることが出来ます。下の配布動画様の説明がとても分かりやすいので、動画に従って導入してみて下さい。LocalShadowと似たような手順です。

配布動画

www.nicovideo.jp

 ここで注意なのですが、ハイライトセットは必ずバージョン2(v2)と書かれている方をお使いください(リンク張ったので大丈夫だとは思いますが)。バージョン1は導入の為の手順がとても複雑で初心者向きではないです。2週間くらい前の私は、v2の存在を知らずにv1のほうを使おうとしてしまい、結局挫折しました。

 さて、このエフェクトは、私のようにイラストの知識がない方にとってはハイライトの色を指定する部分が難しいと思います。色相、明度、彩度を指定してハイライト色を決めることになるのですが、これらの言葉の意味については以下の記事様が理論的でわかりやすかったです。

harmonycolor.hatenadiary.jp

 明度と彩度の意味は置いといて、一般的に髪の毛の色に対してハイライトの色をどう決めればよいのかということですが、調べても良く分かりませんでした(開き直り)。ただ、上の配布動画様の手順を見るに、

色相モーフを調整して、ハイライトを髪の毛と似ている色にする

彩度モーフの数字を上げて、元の髪の色より淡い感じの色にする

明度モーフはパラメタを上げるほど暗くなるので、標準のままいじらない

という感じですかね…(イラストに詳しい方、教えて頂けると有難いです)

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  まあ作画の画風によっては「ざっくり型」とか「両側型」のハイライトを付けないものもありますので、このエフェクトは必須のものではなく、好みによってつけるつけないを判断して下さい。

 同じ効果のエフェクトとしては、FixedHairLightningというものもあります。

seiga.nicovideo.j

リムライト

  リムライトとは輪郭光とも呼ばれるもので、逆光によりモデルの輪郭に沿って光が反射する現象を再現したものです。ハイライトと同じく光の反射を表現するものですが、一応項目を分けました。これを入れると結構アニメっぽくなります。

 髪の毛のハイライトの分類でいうところの「髪スジ型」的なものは、これを使うと入ります。

 今回の記事では、P.I.P 様の「PostRimLightToon」を使用します。

seiga.nicovideo.jp

 導入の仕方としては、PostRimLightToon.pmxを読み込むだけです。今は気にしなくて大丈夫ですが、後述する「エフェクトの描画順」にこだわりたい方は、PostRimLightToon.pmxを読み込まずに、「PostRimLightToon_x版(描画順用)」フォルダ内のPostRimLightToon.xをアクセサリ欄から開き、その後同フォルダ内のPostRimgLightToonCTR.pmx("CTR"と付いているものじゃなきゃダメ)を読み込んでください。

 モーフは色々弄ればわかると思いますが、とりあえず「リムライト弱」や「影無視」あたりを弄ってみると良いと思います。

 

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 似た効果のエフェクトについても少しとり上げていきます。

・PostRimLightoon_Depth

seiga.nicovideo.jp

・PostRimLightning,PostRimLight2D(同梱)

seiga.nicovideo.jp

目の発光

 目をほんのりと発光させると、なんだかアニメっぽくなります。そのやり方を示していきます。

 ここではそぼろ 様の「AutoLumious4」を使います。このエフェクトは色々なことに使用できるのですが、私自身があまり理解できていないため、ここでは目の発光についてのみお話していきます。

www.nicovideo.jp

 まずはアクセサリ欄から「AutoLuminous.x」を開いてください。MMDが固まって動かなくなってしまったという方は、一度MMDを開き直して、今度は代わりに低負荷版の「AutoLuminousBasic.x」の方を読み込んでください。

読み込みが終わったら、MMEタブをクリックしてfxファイルを適用する例の画面を開き、AL_EmitterRTタブに移ってください。目の材質を右クリックし、解除を選択すると、目が物凄い感じで光ると思います。(白背景だったのに背景が真っ黒になるのは仕様らしいです、どこかで読んだ気がします。)

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目の光り具合をアクセサリ欄のSi値で調整し、必要ならTr値でぼかし具合を調整して終了です。この使い方を知っておけば、他の材質を光らせたいときも、その材質を「解除」すればいいので、色々使えるはずです。 

髪の下の目が透けて見えるやつ

 

 髪の下の目が透けて見えるやつは、適用させると髪の下の目が透けて見えるようになります(あたまのわるい文章)。嘘影と同じく、意識して観察したり自分で描いてみないと気が付かないかもしれませんが、アニメ等ではこういった描写がよく出てきます。

 これはアイドル部のMMDモデルでも標準で組み込まれている子が多いと思いますが、標準モデルではテクスチャ画像に透明度を付与することでこの透け髪を再現しているため、モデル改造の際に髪の毛を単色のテクスチャで置き換えた方や、透明度を持っている色を不透明な色で塗りつぶしてしまった方は、この機能が消滅してしまっていると思います。そういった方々は、ここでエフェクトを掛けることで、再び透け髪効果を取り戻しましょう。

 エフェクトは「PostAlphaEye」を紹介します。AutoLumiousと同じ作者様であるそぼろ 様が作られたものなので、AutoLumiousの配布動画から飛べるOneDriveの中からDLしてください。

 使い方としては、とりあえずreadmeの下側の「◎MMEタブから操作する方法」の方をやってみましょう。PostAlphaEye.xをアクセサリ欄から読み込み、MMEタブから例のfxファイル用のウインドウを開いてEyeRTタブに行き、AutoLuminousのときと全く同じ手順でまずは目や眉など「髪の中に透けて見えるようにしたい材質」を「解除」します。次に、EyeRTタブのままで、髪材質、すなわち「透けさせたい材質」を「非表示」にします。非表示にするには、材質名の横にあるチェックマークを解除して下さい。

 このエフェクトは目や髪以外のパーツにも使えるので、色々応用できます。

 注意として、LocalShadowなどと共にPostAlphaEyeを使うとき、キャラの目の中にLocalShadowの枠線が浮き出てしまうことがあります。こういうときは、Localshadowのモデル全体をEyeRTタブ内で「非表示」にしてあげれば直ります。分かりにくいですが比較画像↓

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同じモデルを何度もトゥーン化するのであれば、readme上側の「◎エフェクトを編集する方法」を頑張ってみて下さい。

  「PostAlphaMask」という改良版もあるそうです。

bowlroll.net

ベタ塗り

 私はまだ試してないのでどんな感じなのかわからないのですが、モデル改造ではなくエフェクトによってベタ塗り感を再現するものがあるらしいです。モデル改造編で既にモデルを改造している方には必要ないです。

 そのようなエフェクトの一つが「単色Color_Shader」です。

seiga.nicovideo.jp

 こちらの解説記事様に従ってやっていけば適用できると思います。興味がある方はやってみて下さい。

ch.nicovideo.jp

 ちょっと読んだ感じでは、この方法も「色を数値で指定する」という作業が必要になるようです。0から1までの数値でRGBを指定するというMMD特有の形式っぽいので、

↓このようなサイト様やGIMP等を使ってお目当ての色を探して、RGBの値をメモり、

syncer.jp

↓このサイト様に従って数値をMMD用に変換していくと良いと思います多分。

jujime.blog.jp

 丸投げで本当申し訳ない… 間違ってたらすみません。

画面全体を良い感じにするやつら

  以上の操作で大体アニメ絵的なMMDモデルは完成したのですが、最後の仕上げとして画面全体に様々な補正を掛けていくと、よりアニメらしい見た目になります。化粧モリモリの原宿のJKがスノーのアプリで獣人化するようなあれです(知ったかぶり)

 以下にトゥーン化においてよく用いる補正系エフェクトを列挙していきます。トゥーン化以外でもMMD界隈で広く使われているものばかりなため解説記事が豊富だし、適用の手順もどれも簡単で、何よりも私が記事書くのしんどくなってきたので、解説はあっさりめで行きます。適宜ググってください。適当にSi値やTr値を変えれば見た目が変わります。あのかっつりトシ君やLocalShadowを乗り越えてきた皆様ならよゆうです。

ディフュージョン

 

 ディフュージョン系のエフェクトは、光源や反射光などにより明るくなった部分をぼやかして、画面全体をやわらかい感じにするエフェクトです。アニメ絵でもよく使われているようで、これまでのエフェクトを全て適用させたモデルにディフュージョンを掛けてみると、「オッ、アニメーションだぁ」という感じになるはずです。

 私はおたもん 様の「o_Diffusion」を使用しています。

配布動画

www.nicovideo.jp

解説記事様

okoneya.jp

HDR、BleachBypass、オーバーレイ

 

 この三つは画面の色調を補正するエフェクトです。

 HDRが彩度を上げてコントラストを下げるもの、BleachBypassが彩度を下げてコントラストを上げるものです。セットにして「o_surplusfilter」として配布されているものを私は使用しています。

配布静画

seiga.nicovideo.jp

 オーバーレイは、暗い色の部分に「乗算」、明るい色の部分に「スクリーン」の処理をする合成処理のことで、そうすることによりコントラストをきれいに上げることが出来るそうです。

参考

私はおたもん 様の「o_SelfOverlay」を使用しています。

配布静画

seiga.nicovideo.jp

 状況によって違いますが、この三つのエフェクトのどれかを入れてみるとむっちゃアニメっぽくなる、というケースは多いです。とりあえず入れてみてしっくりくるものを採用していけばいいんじゃないかなと思います。

 本当にど素人が感覚でやっているだけなのでこれが正解ではないかもしれませんが、私は最初にo_selfoverlayを必ず入れて、必要だと思ったらo_likeHDRを後から追加で足す、という感じでやっています。

・SSAA

 

 MMD界隈ではSSAAというものとSSAOというものが出てきて紛らわしいのですが、両者はそれぞれ全然違う機能で、

SSAA(Supersampling Anti-Aliasing)=倍(4倍)の解像度で出力したものを縮小することで、綺麗に見せる手法。アンチエイリアス

SSAO(Screen Space Ambient Occlusion)=画面上で近似的に(SS)影をやわらかくする(AO)手法。アンビエントオクルージョン 。

だそうです。

 すなわち、SSAAは画面をきれいに見せるために使われます。トゥーン調MMDではよく使われているみたいです。

 私は以下のElle 様の「SSAAエフェクト」を使用しています。

配布静画

seiga.nicovideo.jp

 このエフェクトの注意としては、自分のPCの性能に見合った種類のものを使おうということです。私は試しに一番高品質なSSAA_4xL2を使って3000フレーム程度の動画を24fpsの画面サイズ1920×1080で出力させてみたのですが、私のクソザコノートPCではAVI出力完了におよそ9時間かかりました。長い。(途中で中止しろよって話ですが。)

・SSAO

 

 SSAOは影を良い感じにするエフェクトです。そぼろ 様の「ExcellentShadow2」というエフェクトに同梱されているExShadowSSAOというエフェクトをCroquis改と上手く組み合わせると、Croquisで描いた輪郭線が何だか良い感じになるので、お時間がある方はCroquis改の「詳しい使い方」のテキストファイルをよく見ながらやってみると良いと思います。

 ExcellentShadowというエフェクトは、入れると影がきれいになります。ただ、標準ではかっつりトシ君との併用ができないので、後述するM4Layerが必要になってきます。なお、他のシェーダではM4Layerを使わずともExcellentShadowとの併用が標準で可能となっているものもあるようです。

配布動画

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M4Layerの話

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ExcellentShadow対応の他のシェーダーの例

prpr.hatenablog.jp

・DOF

 

 DOF(Depth of Focus)とは被写界深度ともいい、画面内のピントが合っている範囲の大きさのことを指すらしいです。

 DOFエフェクトを使うと、「モデルにのみピントが合っていて、背景やモデルより手前の部分などはピンボケしている」という画面を作ることが出来ます。

 DOFエフェクトは本当に色々あるのですが、私は違いも分からずただ適当にそぼろ 様の「XDOF」を選んで使用しています。

DOFの種類

akatonboaka.blog86.fc2.com

 ・M4Layer

 

 ミーフォ茜 様の「M4Layer」は、簡単に言うと、MMEのMainタブをいったん二つに増やして、それらを画像合成(乗算とかスクリーンとかああいうやつ)で合成する、というエフェクトです。元のMainタブと増やしたMainタブ(正確な名前はLayerRTタブ)のそれぞれに異なるfxファイルを適用させて、適切な合成方法を選択すれば、モデルに二つfxファイルを適用したのと同じ状況が作れるというわけです(多分)。

説明できるほど詳しくないので、以下のサイト様などをご覧ください。

配布静画

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解説サイト様

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エフェクトの並び変えの方法

 以上でエフェクト紹介は終わりですが、実はエフェクトを複数個適用する際、その並び順を変えることにより最終的な見た目が大きく変わってきます。その設定方法や並べ方のコツなどを紹介していきます。

 まあ私が書くのでなくリンク貼らせていただくだけなんですけれども。

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 具体的にどういう順番でエフェクトを並べていけばいいかということについては、これはもう感覚でやるしかないのではないかと思います。(かっちりした体系的な方法やその方法が書いてある記事などご存知の方は教えて頂けると有難いです。)私はなんとなく感覚でやっているので参考になりません。

 以下の動画で、o_○○系のエフェクトの作者様であるおたもん 様が、ご自身の経験に基づいて掛け方の順番を示して下さっているので、参考になさってください。

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おわりに

 以上で、MMDでトゥーン調を実現するためのエフェクトの紹介は終わりです。モデル改造などによりベタ塗りを施したモデルに、以上のエフェクトを一通り掛けていけば、だいぶアニメっぽい画になるんじゃないかと思います。

 別記事で、拙い例ではありますが私が動画で実際に行ったエフェクトの掛け方の具体例を、パラメタを公開しつつ示していく予定です。(この文章が残っているということは、現時点でまだ執筆してないです。すみません)自分の動画からの切り抜きですが、一例としてこんな感じの結果になります。1枚めはDOFやディフュージョンをかけ忘れているのでくっきりしすぎてますね(投稿した動画ではAviUtlで後付けしました)。2枚目のが製作時期が後なので、どちらかというとこっちのがマシな気がしますが、あまり納得いってないです。

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 この記事を読んで、自分なりの表現を探求したりしなかったりしながら、皆様が素晴らしいトゥーン調MMD動画を作っていってくださったら、私はとても嬉しいです。必要であれば次の「モーション編」もお読みください。このようなアホみたいに長い文章を最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。

namuzoh-quanto.hatenablog.com

 

  トゥーン調MMDとどっとライブの更なる発展を願って。

 

*1:大きな分類的にはLocalShadowもシェーダの一種なのですが、使用目的がちょっと違うので、別項目としました。